Digital Gallery of Rare Books & Special Collections
デジタルで読む福澤諭吉

デジタルで読む福澤諭吉

福澤諭吉著作コレクション一覧

慶應義塾大学メディアセンター所長・慶應義塾図書館長 杉山 伸也

慶應義塾大学メディアセンター所長・慶應義塾図書館長 杉山伸也

 

 慶應義塾図書館と福澤研究センターでは、創立150年記念の共同プロジェクトとして、福澤諭吉の著作である『学問のすすめ』や『西洋事情』など初期版本55タイトル、全119冊の全文をデジタル化し、本サイトで公開することにしました。

 このデジタル化プロジェクトでは、研究・教育・学習など幅広い分野で利用していただくために、つぎのような特徴をもつようにしました。

 第1に、福澤諭吉の各著作の書かれた背景やその概要について、冨田正文氏の『福澤諭吉書誌』(大塚巧芸社, 1964年)と佐志傳氏による『マイクロフィルム版福澤関係文書. 収録文書目録第2分冊・福沢諭吉関係資料(1)』(慶應義塾福澤研究センター編・雄松堂出版、改訂再版1998年)の解説を付して、利用者の便宜をはかりました。

 第2に、高精細な画像を提供することにより、例えば、世界の国々をやさしく紹介した『世界国尽』や、科学の入門書である『訓蒙窮理図解』などに掲載されている多くの挿絵も、原資料さながらに再現できるようにしました。

 第3に、電子書籍として使いやすいインターフェースを採用し、福澤の初期版本のページを実際にめくっているような感覚で閲覧することができるようにしました。

本サイトの公開に際しては、多くの方々からご協力をいただきました。解説の掲載にあたっては、冨田正文氏のご遺族、佐志傳氏および雄松堂書店から公開の許諾をいただきました。高精細画像の撮影は、慶應義塾大学デジタルアーカイブリサーチセンター(DARC)からの技術移転を受けて行ないました。また、ページめくりインターフェースで利用しているFLIPPERの使用については、ロゴスウェア株式会社からご支援をいただきました。

 なお、このプロジェクトは、国立情報学研究所(NII)が推進する次世代学術コンテンツ基盤共同構築事業の一部として実施されたもので、本コレクションはKOARA(慶應義塾大学学術情報アーカイブ)にも登録されています。

 

慶應義塾福澤研究センター所長  小室 正紀

慶應義塾福澤研究センター所長 小室正紀

 

 このたび、創立150年という記念すべき年を迎えるにあたり、慶應義塾図書館との共同プロジェクトの成果として、当センターで保管する福澤諭吉の著作(版本:幕末・明治期の和装本)がデジタル化されました。広く世に知られた『西洋事情』、『学問ノスヽメ』、『文明論之概略』をはじめ、その数は100点以上に及びます。そのいずれもが高精細画像であり、しかもページをめくるような感覚で読み進むことができるようになっています。

 版本の著作については既に平成3年、他の福澤関係文書とともに雄松堂書店からマイクロフィルム版が刊行されていますが、今回の電子公開によって、福澤研究者のみならず、福澤に関心を寄せる者すべてが、幕末・明治期における出版当時の印刷や装丁を実物さながらに味わいながら読むことができるようになりました。

 今回のデジタル化が持つ意味は、慶應義塾として特色ある資料群がテキストで一般に公開されたこと、義塾の創始者であり、また明治という時代を切り拓いた啓蒙思想家である福澤の足跡を著作によって系統的に辿れること、福澤の先見性が混迷の時代といわれる現代にどう生かせるかを問いかける好機になりうることにあります。

 今回の電子的公開によって、福澤の思想がより多くのひとびとに理解され、これまで以上に研究の裾野が広がることを願っています。

2008年、慶應義塾は創立150年を迎えます KOARA(慶應義塾大学学術情報アーカイブ)