2017/04/06 新たに 「慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクション」 を公開しました。

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デジタルで読む福澤諭吉


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eBOOK : 「西洋事情. 初編. 一

西洋事情. 初編. 一 - 51 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...論、婚姻をも取結び、その君主も互に好を結び、吉凶相賀〔弔〕吊し緩急相救うの風なり。然れども元と何れも独立の国にて制度一様ならざるが故に、その争端を防ぐ為め各国互に約束を結で、懇親を固くし交易を便にする...

西洋事情. 初編. 一 - 60 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...法総て猛烈迅速を趣旨とす。騎馬を以て大砲を引くことも当時の発明なり。但し散兵を用ゆるは亜米利加合衆国独立の師を初とす。当時戦争の地は山林多く、亜米利加人、散兵を用いて屡々英人を窘めたりと云う。 フレデ...


eBOOK : 「西洋事情. 初編. 二

西洋事情. 初編. 二 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
諸州一般、之に奮激して合衆独立の意を生じ、第六月九日会同恊議して、合衆諸州は固より独立するの理を以て独立し、英国と交を絶ち、英国の支配を受けず、固より之と離別するの理を以て之と離別するとの大論を発し、...

西洋事情. 初編. 二 - 9 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に同意するもの九州、之を拒むもの二州あり。依て又衆人一般に商議したれども、独立の議に左袒するもの多く、加之第七月四日に至て諸方より独立の論を唱うるもの蜂起雲集し、遂に十三州同意一定して独立不羈の国と称...

西洋事情. 初編. 二 - 10 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...遂に和睦を議し、千七百八十三年第一月二十日仮条約を結び、翌年第九月三日本条約を取り替し、合衆国の不羈独立を周く布告したり。千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立の檄文人生已むを得さるの時運にて、一...

西洋事情. 初編. 二 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...さんが為め、こヽに会同して、州内良民の名に代り州内良民の権を藉り、謹で次件を布告す。合衆諸州は固より独立するの理を以て独立し、英国と交を絶ち、英国の支配を受けず。固より之と離別するの理を以て之と離別し...

西洋事情. 初編. 二 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...固く信じて、幸福と栄名をこの一挙に期し、死を以て之を守るものなり。十三州の名代人四十八名調印合衆国、独立を布告してより以来、専ら国内一般の利益を謀り、同盟の定議を以て国法となしたれども、多年の干戈初て...

西洋事情. 初編. 二 - 27 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
州版図に入る。○千八百十七年ゼームス・モンルー、マヂソンに代て大統領となり、モンルー在職の間は無事にして外国との戦争なし。唯セミノールの土人と一小戦したるのみ。千八百十九年西班牙人、東西フロリダの地及び近傍の属島を尽く合衆国に附与せり。○モンルー在職の間にミスシッピー、イリノイス、アラバマ、メーン、ミスソウリの五州版図に入る。千八百二十年ミスソウリ州を并するとき、初て奴隷論を廃し、州内の南北部にてその説齟齬せり。依て千八百二十二年議定して南方の独立を許し

西洋事情. 初編. 二 - 29 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、従来この土人は風俗野陋、唯強勇なるのみにて文学技術を知らず、固より欧羅巴人に敵するを能わす。合衆国独立してより以後、尚ほ又擯斥されて山野に遁れ、漁猟を以て業となし、絶て海岸の地には出ることを得す、時...

西洋事情. 初編. 二 - 38 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に於ては自から独立の体裁をなせり。但し外国と条約を結び、強償の令を出し(非常のとき、一国の主長よりその臣民へ免許状を渡し、海上に於て敵国の船を取押え、強いて味方の損失を償はしむることあり。之を強償の令...

西洋事情. 初編. 二 - 80 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
五十「ドルラル」稽古士官四百五十乃至七百五十「ドルラル」、測量方七百五十乃至一千百「ドルラル」水夫頭、帆前司等三百六十乃至七百五十「ドルラル」。右の割合は英国海軍の給料よりも遥に多し。然るに亜米利加の海軍士官、等、尽くこの給金を費して一銭を余ますものなきは、蓋し亜米利加に於ては英国よりも物価貴く、且その士官、他に活計を営まずして唯給料のみを以て衣食の用に供するが故なり。又合衆国に於ては何人にても数年の間、産業を勉ればよく独立して他の恩沢を蒙るを要せざるに至る

西洋事情. 初編. 二 - 85 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...と雖ども一州内の事を治むるに於ては、各別に評議司を命じ、法則を建て、裁判所を設け、賦税を収る等、全く独立の体裁を為せり。又水道を掘り、鉄道を造くる等、その土地の工業を起すときは、世間一般より金を借るこ...

西洋事情. 初編. 二 - 88 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...耳曼一統の国帝)の為めに押領されたりしが、この時代は封建の風、世に行われて、「バタフヒヤン」人も再び独立し、分れて数小国と為れり。即ちゴルドレス、ブラバント、リュクセンビュルグ、リムビュルグ、アントエ...

西洋事情. 初編. 二 - 95 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
方今荷蘭国は立君定律の政治と為て、国位を血統の子孫に伝えり。王家は即ちオラニー姓にて、荷蘭独立の始祖なり。日耳曼にある荷蘭の所領リュクセンビュルグは、日耳曼列国の盟約(日耳曼の中に大小三十八国あり。何...


eBOOK : 「西洋事情. 初編. 三

西洋事情. 初編. 三 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...府の外、草昧の地も、爾後二百年の間に漸く之を開拓したり。此の時に当て羅馬の武威、次第に衰微して、全国独立の姿とはなりたれども、国内互に争闘して、人民の苦難は却て羅馬の時よりも甚だしと云う。但し此の時代...

西洋事情. 初編. 三 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の義)○アングロ、サクソン英国に渡来して、多年の間諸方を征服するときに当て、此の人種諸処に割拠し、各独立の勢をなせり。その独立国の大なるものはウェフセキス、ソスセキス、ケント、エスセキス、デイラ、イー...

西洋事情. 初編. 三 - 23 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
議の人々、年月を経るに従て次第に権威を張り、国内一般の事務には注意せずして徒に国王の命を拒み、且当時の法にて貴族の領地は世々子孫に伝え易わることなくして、陪臣へは新に世禄を与うるを禁するが故に、貴族の領地は益々加増し、世禄陪臣の数は益々減せり。○第一世エドワルトの世に於ては寺院の俗権を削きたれども、此の事に付て争論を起すことなし。外国交際に於てはその勢甚だ盛なり。又ヲールスを征服し蘇格蘭を攻て殆んと之を服従せしめたり。(ヲールスは英国東方の地なり。従来独立国なりしが、此の時より英の所領となり、方今に

西洋事情. 初編. 三 - 50 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
人口は甚だ増加せず。千七百二十年国内の人員五百三十万なりしもの、千七百六十年に至て六百四十万人となれり。故に職人役夫は日傭銭を以て自から富を成し更に苦情を訴るものなく、国内一般の風俗、文明に赴き礼義を重んじ、次第に粗暴の旧習を脱せり。○第三世ジョージの世に至て、国民産業を脩め工作を勉め、益々富饒を致して、数年の間、俄に全国の風を一変し、人々皆門閥を貴ぶの政を嫌て自から不羈独立の意を生じ、議事院にて国政に関る者の内にも亦此の党の人ありて、専ら下民を寛裕

西洋事情. 初編. 三 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
年兵を挙て本国に叛き、独立の檄文を布告したり。亜米利加の叛賊はその勢固より強盛なるも、兵威を以て之を圧伏す可からざるに非ざれども、仏蘭西、西班牙、荷蘭より窃にその声援をなし、且英の本国にても他の欧羅巴...

西洋事情. 初編. 三 - 93 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...別政府を建つべきの勢に至れるものを、尚おその旧に依て之を属地となし本国より支配すると、或は之を免して独立せしむると、何れかその本国の為めに利益となるべき哉、未だその得失を定め難しと雖ども、恐くはその独...

西洋事情. 初編. 三 - 94 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るに非ざれば、その本国の為め筋と云うべからず。若し天然の理に従て双方の利を謀るときは、所領の地をして独立国とならしめばその利愈々大なるべし。その実証を挙れば、亜米利加合衆国の独立してより以来、英人常に...

西洋事情. 初編. 三 - 95 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...品にても他国よりも便利にして価の廉なるものなし。海外の領地と強て貿易するとも、固より害有て益なく、且独立を欲するものを圧伏して属地となし置かんには、本国の入費甚大なり。方今英国にてカナダの地方を失わざ...

西洋事情. 初編. 三 - 96 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ト」に下らず。然るにその地より得る所の利益は、費す所の高を償うに足らず。且識者の説に、カナダは早晩、独立国と為るか、又は亜米利加合衆国の図版に入るべしと云えり。○又西印度の領地には多く砂糖を産し、之を...

西洋事情. 初編. 三 - 97 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
諸島の砂糖は、キュバ(西印度にある西班牙の領地)ブラシル(南亜米利加中の独立国)より輸入するものに比すれば、その価却て高きが故に、此の砂糖を用ゆるは本国の損亡と云うべし。○右の次第に付き、英国の盛大な...


eBOOK : 「西洋事情. 外編. 一

西洋事情. 外編. 一 - 28 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
互にその便利を謀て一般の為めに勤労し、義気を守り廉節を知り、労すれば従てその報を得、不覊独立、以て世に処し、始て交際の道を全すべきなり。 前条の議論を尚又明に了解せんと欲せば、人々内に自から顧て、我一...

西洋事情. 外編. 一 - 81 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...して一大国を建ること、英国又は亜米利加合衆国の如くなるべき筈なれども、元来人民の互に自由を許して不覊独立の政府を設くるに至るまでは、その進歩甚だ遅きものなり。故に古来大国の基を開きし者は、皆兵力を以て...

西洋事情. 外編. 一 - 84 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ーに都せしときまでは、僅に近傍の地を領して、その大さ今の荷蘭国に過ぎざりし程のことなり。○凡そ古来国勢の俄に強大となりしものは普魯士に如くものなし。方今普魯士国は人口二千万に近く欧羅巴諸州の内にて一大強国と云うべし。然るにその国祖先の由緒を尋れば今より百年以前はブランデンボルフの一諸侯にて人口僅に百万人を支配したりしものなり。 今より千年以前の頃は不列顛英蘭、蘇格蘭を合せたる総名なり。本編英国の部に詳なり。も十三、四国に分れて各々独立したりしが、

西洋事情. 外編. 一 - 85 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...至り英蘭を一統せしものありて、次で又阿爾蘭を并せたれども、蘇格蘭は千七百年代の始に至るまで依然として独立せり。この時に於て蘇格蘭は貧弱なる一小国なれども、英国より兵力を以てこれを攻取るの企なし。千七百...

西洋事情. 外編. 一 - 90 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、英の本国より家を移したるもの多し。元来この者等は遠方に行て土地を開き新に活計を求るものなれば、不覊独立の一新国たらんことを欲するは至当の勢なれども、事の始に於てはその人数も少く、未だ政府の体裁を設る...

西洋事情. 外編. 一 - 91 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ものを尚お束縛して之を制せんとせば、その民必ず叛て自から独立の新政府を建つべし。本国の良策と云うべからず。各国交際 各国自立してその本国を守りその所領の地を失わざるは、多くは兵力の然らしむる所なり。太...

西洋事情. 外編. 一 - 93 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
これに服従せざるべからざるの理を了解して、自から政府の権威も行われ、一国の内、治ると雖ども、固より独立の国なれば他国の制度に従うことなし。故に小国は大国に侵されんことを恐れ、亦大国と雖ども、礼を知らず...


eBOOK : 「西洋事情. 外編. 二

西洋事情. 外編. 二 - 28 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...時の君将たる者、土地を押領すれば、随て又これをその従者に配分して功を賞したることなれども、その従者の独立するを好まず、乃ち約を結で君臣の分を正し、臣下の職分を奉ぜしめしに、一と度土地を得たるものはその...

西洋事情. 外編. 二 - 40 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
右の如く市民の会同処々に起りて自から独立の体裁を成し、以て世上交際の基本を開き、天下の益を為すこと少からず。市民の私に同盟するものは、一国の費を為さずして公事を処置し、毎社毎会各々一局の中心と為りて...

西洋事情. 外編. 二 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
の市民等、互に同盟して各々制法を設け、その法を守て自から独立の体裁を成せるは、実に古風伝来の賜と云うべし。抑も古風旧例より由来して一国人民の為めに至大至重の賜と称すべきものは、その人民へ自由を許し生産...

西洋事情. 外編. 二 - 44 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...罵詈し之を凌辱し、或は激論を唱る者あれば之を罪科に処せしことあり。 爾後議事院の権次第に隆盛し、漸く独立の勢を以て政治議定の一大局と成れり。間ま或は之を倒さんとせしこともありしかども、確乎不抜、恰も〔...

西洋事情. 外編. 二 - 73 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
故に、英国にては一法を設けその人を力役に仕用せり。之を試力の法と名づく。或は又仮令い力役するとも院内に養わるゝを便利なりとし、その常職を棄てゝ来る者もあるべきが故に、之を防がん為め、院内の力役は世間の常職よりもその賃銭を少くし、且その法則ありて力役するに門戸を出さず、衣食住の趣も専ら人意に適せしめざるを趣旨とせり。右の次第を以て、事実身体の強壮にして力役せんと欲する者は、速に貧院を去て人の煩をなさず、且院を去て世間の常職に就けば、その身は不覊独立と為り

西洋事情. 外編. 二 - 76 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...内に住居し、或は昔日の貯蓄を以て自からを俸し、或は孝子慈孫の保養を受け、俯仰心に関することなく、不覊独立、以てその残年を終る者甚だ多し。実に国内の良民なり。然るを今貧院にて力役の法を廃し、窮民の意に適...

西洋事情. 外編. 二 - 77 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て他の扶助を仰ぐの意を生ずべし。是の如きは則ち世間一般の冗費を増すのみならず、故さらに良民をして不覊独立の廉恥を忘れしむるなり。 右所論の如く、救窮の法を設くるは極めて難事なるが故に、政府たるものゝ職...

西洋事情. 外編. 二 - 103 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
なからず。〇以上所記の弊害を除き、貧人の心を一新して、前後を思慮し節倹を守らしむるには、積金の預所を建て、些少の銭たりとも慥かに預りて利息を与うるの法を設くるに若くはなし。預所の法、一度び行わるれば、人皆金を処置するの便利を知り、我貯うる所のものは必ず我私有となりて、その利息をも取るべきの確証を得るが故に、一銭たりとも無益の遊楽に費さずして、務めて之を貯え、謹て之を積むべし。大凡人として不覊独立の活計を好まざるものなし。今爰に自も亦少


eBOOK : 「西洋事情. 外編. 三

西洋事情. 外編. 三 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...と左の如し。経済学の論に云く、力を以て人を束縛し強いて之を役するものは、その功、粗にして駁なり。不覊独立、躬から富を致すの趣意を以て人を鼓舞し、自由に之を役すれば、その功、精にして美なり。故に売奴は、...

西洋事情. 外編. 三 - 91 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...れば、これに由てその国益を成すのみならず、自から一家の産を起し、その子孫をして飢寒の患を免かれ、不覊独立の活計を遂げしむべければ、一挙して公私両様の幸福を成すものと云うべし。抑も労して報を得んとするの...


eBOOK : 「西洋事情. 二編. 一

西洋事情. 二編. 一 - 10 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
自然の通義下に詳なりを行わしめて邪魔をせぬことなり。開版の自由と云えば、何等の書にても刊行勝手次第にて書中の事柄を咎めざることなり。宗旨の自由とは、何宗にても人々の信仰する所の宗旨に帰依せしむることなり。千七百七十年代、亜米利加騒乱の時に、亜人は自由の為めに戦うと云い、我に自由を与うるか、否ざれば死を与えよと唱えしも、英国の暴政に苦しむの余、民を塗炭に救い、一国を不覊独立の自由にせんと死を以て誓いしことなり。当時有名

西洋事情. 二編. 一 - 13 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
なしと云う義なり。 又事を為すべき権と云う義あり。即ち罪人を取押るは市中廻方の権なり。 又当然に所持する筈のことゝ云う義あり。即ち私有の通義と云えば、私有の物を所持する筈の通義と云うことなり。理外の物に対しては我通義なしとは、道理に叶わぬ物を取る筈はなしと云う義なり。人生の自由はその通義なりとは、人は生ながら独立不覊にして、束縛を被るの由縁なく、自由自在なるべき筈の道理を持

西洋事情. 二編. 一 - 30 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
進退を処するに当り、仮令之を処するに全くその人の利害を移すこと無しと雖ども、更に一層の美事を生ずべき目的もなくして、妄りに事を興起しその人を動揺するは、乃ち亦人の自由を妨るの法と云て可なり。之に反して、法律に由り一人の進退を処すれば随て天下一般の利を生ずべき確実の着見あらば、人も亦私心を去り些少の意見を屈して更に天下の要事たる一般の自由を存せざるべからず。即ち一国独立の風俗を助るの所由なり。故に国法を設くるに慎思小心を加るときは、


eBOOK : 「西洋事情. 二編. 二

西洋事情. 二編. 二 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に都府を設けて国人に号令し、国内の諸君をして貴族臣下の列に立たしむるとは雖ども、之を凌辱すること甚だし。毎年蒙古王より欽差大臣を遣て国内を巡行せしめ貢税を収るときに、魯の諸君は身躬から大臣を迎え、その馬の轡を取て之を導き、廟堂の儀式に用ゆる所の杯盆に麦を盛て之を馬に喰はしむるを例とせり。斯の如く蒙古の苛政に窘めらるヽこと凡二百五十年、此の際に当て蒙古の覊絆を脱するものは独りノウゴロットの一州のみ。此の地方には初より独立の合衆政治を行い、日耳曼「ハンセチック」の

西洋事情. 二編. 二 - 49 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
して事を発したれども、新帝の勇力、直にこれを制圧し、その首魁を捕えて或は殺し或は流し、事速に平定せり。の政府も魯君の死を聞て叛きしを以て、将軍パスケウィツチを遣り、伐てこれに勝ち、裏海近傍の地を取り、八千万「ルーブル」の償金を促してその罪を免せり。(一「ルーブル」は三十八匁二分五厘に当る)千八百二十八年土耳古を攻て亦これに勝ち、翌年和を講じてダニウブ河畔の数城を取り、巨万の償金を出さしめり。千八百三十年ポーランドの人、兵を挙てその国の独立を恢復せんとしたれども、魯帝の威力に勝た

西洋事情. 二編. 二 - 58 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
民を保護し、これを文明に導て脩徳開知の趣意を知らしめ、強大を抑え弱小を揚け人々をして独立不羈ならしめんがため、或は君上の暴威を逞うすることあるを云う。支那人の口吻に云える如く、之に由らしめ之を知らしめ...

西洋事情. 二編. 二 - 76 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に此の類の民、凡三百万人あり。第四、農民 古来魯西亜の農民は、大半、売奴の法を以て人に養われ、自から独立の活計を為すを得ず。その政府に属する者二千一百万人、富豪貴族に属する者二千三百万人。貴族の家に養...

西洋事情. 二編. 二 - 100 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
武家不定隊の内にて最も盛なるものは「コサック」の兵なり。ドン河(南境裏海の辺にあり)の畔にある「コサック」の人口六七十万人、事急なるときは男子十五歳より六十歳の者は尽く軍に従うを法とす。然れども、平日の常備は騎兵五十四隊に分ち、各隊の兵員一千零四十四人、共計五万六千三百七十六人なり。右の外諸方にある「コサック」の人種を合すれば人口八十七万五千、軍に役するもの十二万九千を得べし。「コサック」の人種は奴隷の覊絆を脱して独立せる者なり。自からその田地を耕し、自からその山林に猟して、政府に税


eBOOK : 「西洋事情. 二編. 三

西洋事情. 二編. 三 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...酋長にコロウヒスなる者あり。年甫て十九、羅馬の鎮台シアグリスを撃て大に之に克ち、羅馬の覊絆を脱却して独立の体裁を成せり。此の人を仏蘭西の始祖とし、此の血統を「メロウヒンジヤ」の世と称す。コロウヒス死す...

西洋事情. 二編. 三 - 10 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
夷狄に「ノルマン」と称する種族ありそ。の本国は今の嗹国及び瑞典等に当れり。此の夷民舟に乗じて屡々仏蘭西の沿海を掠乱し、仏人の窘めらるヽこと年既に久し。紀元九百年代の初に至り仏蘭西王チャーレス・ゼ・シンプル、西北の地を割て「ノルマン」に与え、その女を「ノルマン」の酋長ロルロに嫁して和を求めたり。「ノルマン」の人は此の土地を得て益々強大の勢を成し、所領の地をノルマンジと唱え、名は仏蘭西の管轄内にあれどもその実は独立の一強国にして、国内衆貴族の上に位し、嘗てて王命に従うことなし。(爾後「ノルマン」の国力漸

西洋事情. 二編. 三 - 28 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ウェンス等の地を取て、南の方地中海に至るまで尽く王土に属し、又西北の地方はブリタニー侯の領地にて多年独立の勢を成せしが、第八世チャーレ・スブリタニーの公主アンナを娶てその領地全く王室の版図に帰したり。...

西洋事情. 二編. 三 - 33 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て第二世ヘヌリの世に至ても、仏蘭西の国論は日耳曼に敵するの趣意にて、兵を用ること三十年、遂に仏蘭西の独立を固くせしのみならず、他の欧羅巴諸国も仏の力に依頼して安全を保つもの多し。此の時に当て仏蘭西の風...

西洋事情. 二編. 三 - 70 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
至り、墺地利は唯シレシヤの地を普魯士に奪われしのみにて、他に失うものなく、女帝は位に在て各国の政府もこれを認し、英も失する所なく、仏も得る所なし。唯徒に数年の間戦いしのみ。○アキスラシャペルの条約中に云えることあり。他事は都て戦争以前の有様にして、之を守るべし云々と。然るに亜細亜及び亜米利加にある英仏の所領、相隣して未だその境界を定めざるもの多し。千七百四十九年に至り仏蘭西の人、北亜米利加に於て、カナダの境え英人の次第に侵入するを責め(此の時合衆国は未だ独立せず、カナダは

西洋事情. 二編. 三 - 78 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
と為り、旧物の安を甘んじて新法を悦ばず、国王の天資美なりと雖ども、、果断の勇なく、且又新法を行はんとする者も、誠実の大義を失して惨酷に過ぎ、一旦事を発するに至ては、酔えるが如く、狂するが如く事を発するを知て事を脩るを知らず、遂に数十年の間、全国の大乱に陥りたるなり。蓋し此の大乱の本を醸したるは年既に久しと雖ども、別に又その近因あり。千七百七十六年亜米利加にある英国所領の人民、本国の苛政を厭うて独立の兵を揚げ、自から亜米利加の合衆国と称し、英人と戦て屡々利あらず、使

西洋事情. 二編. 三 - 79 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て、千七百七十八年パリスに於て亜仏両国の条約を結び、その後西班牙、和蘭も亦これに与みして、共に亜人の独立を助けり。海上の戦には英人頻に勝利を得て、東印度にある敵国の所領は大半これを奪い、和蘭の如きは海...

西洋事情. 二編. 三 - 80 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
り、欧羅巴の諸方に於ても英、仏、西班牙の間、互に勝敗あり。亜米利加にても戦争久しく決せず、独立の兵、漸く強盛の勢を得て、千七百八十一年合衆国の将軍ワシントン及び仏蘭西の将軍ラ・フェツテイ、亜、仏両国の...

西洋事情. 二編. 三 - 81 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...出して政府に貸したる者は、国債の廃壊せんことを恐れて物論日に喋々たり。又先きに亜米利加ずに行き、その独立を助けて戦いし者は、数年の間、亜人に接して苦楽を共にし、自から不羈自由の風に浸潤して、帰国の後も...

西洋事情. 二編. 三 - 84 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...が故に、衆庶は益々勢を得て、会議に出席せる名代人なる者、自から国会(ナシヨナルアッセンブル)と称して独立の体裁を成せり。政府は威を以て之を畏さんとし、大に兵士を集め、且此の事端を開きしは宰相ネックルの...


eBOOK : 「西洋事情. 二編. 四

西洋事情. 二編. 四 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ものは十分の一のみ。○此の敗軍に乗じて、普魯士の人、その独立を恢復せんとし、仏蘭西に叛て瑞典及び魯西亜に与せり。仏帝は戦争に敗ると雖ども、未だ国民の信を失はす。新に兵を募て既に三十五万を得たり三月の間...

西洋事情. 二編. 四 - 17 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...イプシックの一敗を以て世の形勢立ところに変じ、日耳曼の諸国ハノーウル、ブロンスウィーキ、ヘッセ等、皆独立恢復を唱え、和蘭も旧との大統領を英より迎て仏の覊絆を脱し、甚だしきは仏蘭西の本国にも既に党類を生...


eBOOK : 「條約十一國記

條約十一國記 - 13 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...日本の安永五年其国の人義兵を挙てワシントンといふ人を大将に立英吉利と八年の間合戦してこれに打勝ち遂に独立の国となり其後追々農業を勉め産物を開き諸国と条約を取結で交易を盛にし国富兵強くして英吉利仏蘭西な...


eBOOK : 「洋兵明鑑. 二

洋兵明鑑. 二 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
施す可し譬へば騎兵は歩兵よりも其隊伍乱だれ易きが故に戦列を数段に設け砲兵これに反して常に独立することなく必ず他の兵に合して隊を乱ることなきが故に其戦列を一段より多くすることなし戦列の巾に従ひ兵士の数を...


eBOOK : 「洋兵明鑑. 三

洋兵明鑑. 三 - 35 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...れをして隊伍混乱せず尚ほ方陣を作るの暇あるものに向て戦はしめば損失重大にして且有害無益なり砲兵は曾て独立の戦なきものなり必ず騎歩二兵の内其一と伴はざるはなし滑膅砲は一千六百「ヤールド」乃至一千七百「ヤ...


eBOOK : 「洋兵明鑑. 四

洋兵明鑑. 四 - 69 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
最終とす騎兵は疾駆するものなれば全軍の端末に進むこと兵の常なり二万五千乃至三万人の進軍には先鋒よりの距離を算入せずして七千乃至八千「ヤールド」の間に連続す可し故に大軍を帥ひて一路を進むものは兵を使用すること能はざるは智者を待たずして明なり(コピーと位置が異なる)毎隊各々道を分て進軍するとき或は独り戦隊を作るものあり或は他と合せて戦を為すものあり此際や隊列の配置を適宜にし彼此相支牾するの患なからしむ可し又毎隊各々独立して敵に当るものゝ如


eBOOK : 「洋兵明鑑. 五

洋兵明鑑. 五 - 19 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
隊列の巾を広くし其長さを縮む可し先鋒は自家独立の働を為す可きものなれば前条の備あるの外過慮に失することなきを佳とす縦令ひ敵兵一処に伏在するも害を為すに足らざるを知らばこれが為め進行を止ること勿れ衆山あ...

洋兵明鑑. 五 - 39 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
次の進迫を佳とす又府中の士民勇ありて義を重じ国名を穢し独立を害せんことを恐るゝときは甘じて私有品を亡すあり此時に当て縦令ひ其堡城を抜くも一衢一屋皆これを争ひ寸地を惜て防戦するものあり千八百八年サラトガ...


eBOOK : 「掌中萬國一覧

掌中萬國一覧 - 36 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...血統相伝の体裁を成して日耳曼帝と称する者は常に墺地利の君なりしかども其実は名目のみにて国内の諸侯各々独立の勢をなし普魯士の如きは早くも第一世「フレデリッキ」の時に独立の王国を称せり下て千八百四年に至り...

掌中萬國一覧 - 83 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
の大統領なり欧羅巴諸国にては国王の誕日を祝し当日は国中の人民業を休み或は花火を掲げ或は祝砲を放ち士女美服を装ひ来往遊宴一日の歓を為すを例とす合衆国にては国君なるものなきが故に其建国独立の日を国の誕日と称しこれを祝すること欧羅巴諸王の誕日を賀するが如し即ち彼


eBOOK : 「英國議事院談. 二

英國議事院談. 二 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ならず其名其実に違ふに似たり然りと雖ども世人若し之を怪む者あらば試に其家の閾を踰て内部を窺ふべし果して名声の空しからざるを見ん門戸を開き外客応接の間に入ること僅に一歩にして其席は毛氈、其壁は粉堊、玻璃灯の大なるものは天井に掛り、椅子の美麗なるものは席に列せり、此装飾は啻に応接の一室のみに限らず各室皆然り概して之を云ふときは一家内諸件の躰裁、斉整団結自から一家独立の風を成せるものと云ふべし顧て見よ仏蘭西の衆人同居の家、外見頗る美麗にして

英國議事院談. 二 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...其楼梯を同ふし居室常主なければ掃除にも亦意を用るもの尠く塵埃不潔戸内を一見して既に厭ふべし豈之を英人独立の家に比較す可んやと千八百五十一年の記に拠れば竜動の人口二百三十六万二千二百三十六人此人員にて一...


eBOOK : 「世界国盡. 一

世界国盡. 一 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『後印度のことを西洋人は「ひんどすたん」という。大抵残らず英吉利領なり。唯その北の方に独立国と唱え、英の支配を受ざるもの二、三国あるのみ。前印度も西の方は英の支配下なり。』だよりみなみに長き「満落花」...

世界国盡. 一 - 46 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『居るよし。獅子はうわばみを喰らう〇辺留社は旧国なれども、元来人気粗く、政事向暴虐にし』喜須丹」、みなみの端の「尾留知須丹」、独立国の名あれども風俗粗き夷狄のみ。西に進て「辺留社」


eBOOK : 「世界国盡. 二

世界国盡. 二 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『〇信野は衛士府都の支配なり。阿弥志仁屋は独立国なり。この辺の河に「ひぽぱたます」という獣あり。大さ象の如し。』なる「三義原」と「茂山比丘」、これ「阿非利加」の東国筋、「茂山比丘」の港より海を隔てゝ「...

世界国盡. 二 - 23 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『〇阿留世里屋は気候穏にして五穀菓実の登ること茂禄子に劣らず。その都は海岸より小高き山の麓に開て風景よし。四、五十年前はこの辺に海賊多く諸国の船を悩せり。我文化年中亜米利加の』隣なる「阿留世里屋」、人口二百五十万、今を去ること四十年、「仏蘭西国」に攻取られ不羈独立


eBOOK : 「世界国盡. 三

世界国盡. 三 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『〇希臘は久しく土留古の支配となりしが、人民その艱苦に堪えずして恢復を謀り、他国の人も同情相憐みてこれを助け、千八百二十一年の頃より数年の苦戦にて、遂に旧の独立国に復した』名所旧跡かずおおし。「伊太里国」の南より東へ渡り「希臘」は由来ひさしき国なれ


eBOOK : 「世界国盡. 四

世界国盡. 四 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...車並に湖水に浮べる蒸気船にて、商売の道も甚はだ盛なり。西洋人の説に、この地も行々は英吉利の手を離れて独立す』「小田羽河」、河のみなみに「小田羽府」は「英吉利国」の代官所、北は北極、西方は「太平海」の水...

世界国盡. 四 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...を奪取て上の用を達せんとする不埒の挙動なり。たとい国王政府の命たりともこれを承知し難しとて、弥々以て独立の旗揚に決定せり。頃は千七』の不羈独立の勢は留んとすれど止らず、「北亜米利加」の十三洲、その本国...

世界国盡. 四 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『とすれども、亜米利加人は固より必死に覚悟定め、老若男女独立の師と聞て悦ばざる者なく、町人は天秤棒を持て市より起り、百姓は鉏鋤を携えて畑より駈出すほどの勢なれば、中々穏便の』遺恨なる。遺恨に遺恨かさな...

世界国盡. 四 - 24 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『七月四日には四十八士独立の檄文を布告して人気益振い、昼夜の戦争、或は克ち或は負け、千辛万苦、その有様は筆に尽し難し。人の誠心、天の恩恵、遂に勝利を得て英吉利と和睦結び、国政を定て』数万の敵は海を越え...

世界国盡. 四 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『この度亜米利加にて師の起りしは、誰一人として頭取もなく、国中の人一般に独立を望み、婦人小児に至るまでもその気象を備えたることなれば、英吉利よりさし向たる官軍の勢にても克ざり』の守攻、知勇義の名を千歳...

世界国盡. 四 - 34 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『「ぼふすとん」「ふひらでるひや」「ばるちもふる」等、数多の都会あり、文学技芸盛にして、器物製造商売繁昌の模様は、英吉利、仏蘭西に異ならず。南の諸州には米、麦、綿、烟草等の産物多し。都て東北諸州』ところなし。西の世界に独立し威をとゞろかす大国の議政為政の源なればその洪大も道理なり。「和新

世界国盡. 四 - 38 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『○女喜志古はもと西班牙の領分なりしが、千八百二十一年独立して合衆政府を建てり。千八百六十四年仏蘭西に攻滅され、仏の差図にて「まきしみりやん」という人を立て国帝となせしが、僅」海の海岸にひとり繁華を誇...

世界国盡. 四 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の諸国も元は西班牙の領分なりしが、千八百二十一年本国の手を離れて暫くの間女喜志古に与みし、二年を経て独立の政府となり、その後又各国相分れて各合衆政府を建てり。』に遑なし。「女喜志古」のみなみにつゞく数...

世界国盡. 四 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『地はもと西班牙の領分なりしが、今は独立国にて、皇帝は黒人なり。邪麻伊嘉は英吉利領なり。久場は西印度諸島の中にて最も大いなり。その都を葉羽奈という。西班牙これを領す。馬浜は小さ』る千万歳。千島の数の多...


eBOOK : 「世界国盡. 五

世界国盡. 五 - 9 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『○武良尻はもと葡萄牙の領分なりしが、近来独立し、千八百二十二年に至て帝国となれり。南亜米利加の内にて第一の大国なり。国政寛くして教育の法行届き、日耳曼及び瑞西より家を移し』「英」の三箇国、各有つその...

世界国盡. 五 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『○地鯉も西班牙の領分なりしが、千八百十七年以来独立して共和政府となり、近年は次第に国政を改革して、文武ともに盛なり。四、五年以前、西班牙より軍艦を差向けしこと度々なれども、遂』に貴き名品は「平柳国」...

世界国盡. 五 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『の手を離れ、独立の共和政府となれり。首府の名を「りま」という。海岸に近し。東の方に離れて「くずこ」といえる都会あり。この国も近来は次第に繁昌して、南亜米利加の内にては上国の名あり。』がい事につき思い...

世界国盡. 五 - 29 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『配を受てこれに従えり。或は山の奥に籠て独立せるものもあり。呂宋の都「まにら」の景』ん。南にひろき一世界、昔日この地を見出せし和蘭人のほまれにて「新和蘭」と名けしが、今はその

世界国盡. 五 - 37 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『昼夜の異なる所以は、地球の円くして廻る理合を考えて合点すべし。「新ぢいらんど」の景』土」の北東数千の島を通り越し赤道越えて北の方、「山土逸地」の島々は人口僅七万人、土地は狭くも独立


eBOOK : 「學問のすゝめ. 初編

學問のすゝめ. 初編 - 10 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
學も實事を押へ其事に就き其物に従ひ近く物事の道理を求て今日の用を達すべきなり右は人間普通の實學にて人たる者は貴賤上下の區別なく皆悉くたしなむべき心得なれは此心得ありて後に士農工商各其分を盡し銘々の家業...

學問のすゝめ. 初編 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
諸人の手本となり遂に世間の風俗を亂りて人の教に妨を爲すがゆえに其費す所の金銀は其人のものたりとも其罪許すべからず又自由獨立の事は人の一身に在るのみならず一國の上にもあることなり我日本は亞細亞洲の東に離...

學問のすゝめ. 初編 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
く互に便利を達し互に其幸を祈り天理人道に従て互の交を結び理のためにはアフリカの黒奴にも恐入り道のためには英吉利亞米利加の軍艦をも恐れず國の耻辱とありては日本國中の人民一人も殘らず命を棄てゝ國の威光を落...

學問のすゝめ. 初編 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
を賤しめこれを嫌らひ自國の力をも計らずして妄に外國人を追拂はんとし却て其夷狄に窘めらるゝなどの始末は實に國の分限を知らず一人の身の上にて云へば天然の自由を達せずして我侭放盪に陷る者といふべし王制一度新...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 初編

學問ノスヽメ. 初編 - 10 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...区別なく皆悉くたしなむべき心得なれば、この心得ありて後に士農工商各その分を尽し銘々の家業を営み、身も独立し、家も独立し、天下国家も独立すべきなり。○学問をするには分限を知る事肝要なり。人の天然生れ附は...

學問ノスヽメ. 初編 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ず。又自由独立の事は人の一身に在るのみならず、一国の上にもあることなり。我日本は亜細亜洲の東に離れたる一個の島国にて、古来外国と交を結ばず、独り自国の産物のみを衣食して不足と思いしこともなかりしが、嘉...

學問ノスヽメ. 初編 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
とありては、日本国中の人民一人も残らず命を棄てゝ国の威光を落さゞるこそ、一国の自由独立と申すべきなり。然るを支那人などの如く、我国より外に国なき如く、外国の人を見ればひとくちに夷狄々々と唱え、四足にて...

學問ノスヽメ. 初編 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...べし。王制一度新なりしより以来、我日本の政風大に改り、外は万国の公法を以て外国に交り、内は人民に自由独立の趣旨を示し、既に平民へ苗字乗馬を許せしが如きは、開闢以来の一美事、士農工商、四民の位を一様にす...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 三編

學問ノスヽメ. 三編 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ず一身の独立を謀り、随て一国の富強を致すことあらば、何ぞ西洋人の力を恐るゝに足らん。道理あるものはこれに交り、道理なきものはこれを打払わんのみ。一身独立して一国独立するとはこの事なり。一身独立して一国...

學問ノスヽメ. 三編 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
第一条 独立の気力なき者は、国を思うこと深切ならず。○独立とは、自分にて自分の身を支配し、他に依りすがる心なきを云う。自から物事の理非を弁別して処置を誤ることなき者は、他人の智恵に依らざる独立なり。自...

學問ノスヽメ. 三編 - 11 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
りすがりて身に引受ることなきゆえ、国を患うることも主人の如くならざるは必然、実に水くさき有様なり。国内の事なれば兎も角もなれども、一旦外国と戦争などの事あらば、その不都合なること思い見るべし。無智無力の小民等、戈を倒にすることも無かるべけれども、我々は客分のことなるゆえ、一命を棄るは過分なりとて逃げ走る者多かるべし。さすればこの国の人口、名は百万人なれども、国を守るの一段に至てはその人数甚だ少なく、迚も一国の独立

學問ノスヽメ. 三編 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
は叶い難きなり。○右の次第に付、外国に対して我国を守らんには、自由独立の気風を全国に充満せしめ、国中の人々貴賤上下の別なく、その国を自分の身の上に引き受け、智者も愚者も、目くらも目あきも、各その国人た...

學問ノスヽメ. 三編 - 16 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...う者あるゆえ、斯る相違も出来しことなり。これに由て考うれば、外国へ対して自国を守るに当り、その国人に独立の気力ある者は国を思うこと深切にして、独立の気力なき者は不深切なること推て知るべきなり。第二条 ...

學問ノスヽメ. 三編 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の損亡に非ず、一国の損亡なり。一人の恥辱に非ず、一国の恥辱なり。実に馬鹿らしきようなれども、先祖代々独立の気を吸わざる町人根性、武士には窘められ、裁判所には叱られ、一人扶持取る足軽に逢ても御旦那様と崇...

學問ノスヽメ. 三編 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
るの証拠なり。第三条 独立の気力なき者は、人に依頼して悪事を為すことあり。○旧幕府の時代に名目金とて、御三家などゝ唱る権威強き大名の名目を借て金を貸し、随分無理なる取引を為せしことあり。その所業甚だ悪...

學問ノスヽメ. 三編 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
金を促すとは卑怯なる挙動ならずや。今日に至ては名目金の沙汰は聞かざれども、或は世間に外国人の名目を借る者はあらずや。余輩未だその確証を得ざるゆえ、明にこゝに論ずること能わざれども、昔日の事を思えば今の世の中にも疑念なきを得ず。この後万々一も外国人雑居などの場合に及び、その名目を借て奸を働く者あらば、国の禍実に云うべからざるべし。故に人民に独立の気力なきは、その取扱に便利などゝて油断すべからず。禍は思わぬ所

學問ノスヽメ. 三編 - 23 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に起るものなり。国民に独立の気力愈少ければ、国を売るの禍も亦随て益大なるべし。即ちこの条の初に云える、人に依頼して悪事を為すとはこの事なり。 右三箇条に云う所は皆人民に独立の心なきより生ずる災害なり。...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 四編

學問ノスヽメ. 四編 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...諭吉 著学者の職分を論ず近来窃に識者の言を聞くに今後日本の盛衰は人智を以て明に計り難しと雖ども到底其独立を失ふの患はなかる可しや方今目撃する所の勢に由て次第に進歩せば必ず文明盛大の域に至る可しやと云て...

學問ノスヽメ. 四編 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
を難ずる者あり固より人の説を聞て遽にこれを信じ我望を失するには非ざれども畢竟この諸説は我独立の保つ可きと否とに就ての疑問なり事に疑あらざれば問の由て起る可き理なし今試に英国に行き貌利太の独立保つ可きや...

學問ノスヽメ. 四編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...始て其成功を得可きものなれば我輩は国民たるの分限を尽し政府は政府たるの分限を尽し互に相助け以て全国の独立を維持せざる可らず○都て物を維持するには力の平均なかる可らず譬へば人身の如しこれを健康に保たんと...

學問ノスヽメ. 四編 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...てこれを放頓することあらば人身の健康は一日も保つ可らず国も亦然り政は一国の働なりこの働を調和して国の独立を保たんとするには内に政府の力あり外に人民の力あり内外相応じて其力を平均せざる可らず故に政府は猶...

學問ノスヽメ. 四編 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
れば曰学術曰商売曰法律是なり世の文明は専ら此三者に関し三者挙らざれば国の独立を得ざること識者を俟たずして明なり然るに今我国に於て一も其体を成したるものなし○政府一新の時より在官の人物力を尽さゞるに非ず...

學問ノスヽメ. 四編 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の事業十に七八は官の関せざるものなし是を以て世の人心益其風に靡き官を慕ひ官を頼み官を恐れ官に諂ひ毫も独立の丹心を発露する者なくして其醜体見るに忍びざることなり譬へば方今出版の新聞紙及び諸方の上書建白の...

學問ノスヽメ. 四編 - 17 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...明を進むるには今の洋学者流にも亦依頼す可らざるなり○前条所記の諭説果して是ならば我国の文明を進めて其独立を維持するは独り政府の能する所に非ず又今の洋学者流も依頼するに足らず必ず我輩の任ずる所にして先づ...

學問ノスヽメ. 四編 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
と互いに相平均し以て全国の独立を維持す可きなり○以上論ずる所を概すれば今の世の学者此国の独立を助け成さんとするに当て政府の範囲に入り官に在て事を為すと其範囲を脱して私立するとの利害得失を述べ本論は私立...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 四編

學問ノスヽメ. 四編 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...著学者の職分を論ず 近来窃に識者の言を聞くに、今後日本の盛衰は人智を以て明に計り難しと雖も、到底その独立を失うの患はなかるべしや、方今目撃する所の勢に由て次第に進歩せば、必ず文明盛大の域に至るべしやと...

學問ノスヽメ. 四編 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ば、迚も日本の独立は危しと云て、これを難ずる者あり。固より人の説を聞て遽にこれを信じ、我望を失するには非ざれども、畢竟この諸説は、我独立の保つべきと否とに就ての疑問なり。事に疑あらざれば問の由て起るべ...

學問ノスヽメ. 四編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...功を得べきものなれば、我輩は国民たるの分限を尽し、政府は政府たるの分限を尽し、互に相助け、以て全国の独立を維持せざるべからず。○都て物を維持するには力の平均なかるべからず。譬えば人身の如し。これを健康...

學問ノスヽメ. 四編 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...頓することあらば、人身の健康は一日も保つべからず。国も亦然り。政は一国の働なり。この働を調和して国の独立を保たんとするには、内に政府の力あり、外に人民の力あり、内外相応じてその力を平均せざるべからず。...

學問ノスヽメ. 四編 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ばざるものを挙れば、曰学術、曰商売、曰法律、是なり。世の文明は専らこの三者に関し、三者挙らざれば国の独立を得ざること識者を俟たずして明なり。然るに今、我国に於て一もその体を成したるものなし。○政府一新...

學問ノスヽメ. 四編 - 16 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、八は官の関せざるものなし。是を以て世の人心益その風に靡き、官を慕い官を頼み、官を恐れ官に諂い、毫も独立の丹心を発露する者なくして、その醜体見るに忍びざることなり。譬えば、方今出版の新聞紙及び諸方の上...

學問ノスヽメ. 四編 - 18 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
も非ず。然るにその不誠不実、斯の如きの甚しきに至る所以は、未だ世間に民権を首唱する実例なきを以て、唯彼の卑屈の気風に制せられ、その気風に雷同して、国民の本色を見わし得ざるなり。これを概すれば日本には唯政府ありて、未だ国民あらずと云うも可なり。故に云く、人民の気風を一洗して世の文明を進むるには、今の洋学者流にも亦依頼すべからざるなり。○前条所記の論説果して是ならば、我国の文明を進めてその独立を維持するは、独り政府の能する所に非ず、又今の洋学者流も依頼するに足らず、必ず

學問ノスヽメ. 四編 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...政府の刺衝と為り、学術以下三者も自からその所有に帰して、国民の力と政府の力と互に相平均し、以て全国の独立を維持すべきなり。○以上論ずる所を概すれば、今の世の学者、この国の独立を助け成さんとするに当て、...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 五編

學問ノスヽメ. 五編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...評する勿れ。明治七年一月一日の詞 我輩、今日慶應義塾に在て、明治七年一月一日に逢えり。この年号は我国独立の年号なり。この塾は我社中独立の塾なり。独立の塾に居て独立の新年に逢うを得るは、亦悦ばしからずや...

學問ノスヽメ. 五編 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...を以てなり。外国に関係あらざれば、治も一国内の治なり、乱も一国内の乱なり、又この治乱を経て失わざりし独立も唯一国内の独立にて、未だ他に対して鋒を争いしものに非ず。これを譬えば、小児の家内に育せられて未...

學問ノスヽメ. 五編 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、西洋諸国の有様に比すれば、啻に三舎を譲るのみならず、これに傚わんとして或は望洋の歎を免かれず、益我独立の薄弱なるを覚るなり。○国の文明は形を以て評すべからず。学校と云い、工業と云い、陸軍と云い、海軍...

學問ノスヽメ. 五編 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...も実の用を為さず、真にこれを文明の精神と云うべき至大至重のものなり。蓋しその物とは何ぞや。云く、人民独立の気力、即是なり。○近来我政府、頻りに学校を建て、工業を勧め、海陸軍の制も大に面目を改め、文明の...

學問ノスヽメ. 五編 - 9 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
外に施すに由なし。畢竟人民に独立の気力あらざれば、彼の文明の形も遂に無用の長物に属するなり。○抑も我国の人民に気力なきその原因を尋るに、数千百年の古より全国の権柄を政府の一手に握り、武備文学より工業商...

學問ノスヽメ. 五編 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
遑あらんや。故に云く、人民に独立の気力あらざれば、文明の形を作るも啻に無用の長物のみならず、却て民心を退縮せしむるの具と為るべきなり。○右に論ずる所を以て考れば、国の文明は上政府より起るべからず、下小...

學問ノスヽメ. 五編 - 16 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...国に先鞭を着けられんことを恐るゝのみ。故に文明の事物、悉皆人民の気力を増すの具と為り、一事一物も国の独立を助けざるものなし。その事情正しく我国の有様に相反すと云うも可なり。○今我国に於て彼の「ミッヅル...

學問ノスヽメ. 五編 - 18 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...者なきは、実に長大息すべきなり、亦痛哭すべきなり。独り我慶應義塾の社中は、僅にこの災難を免れて、数年独立の名を失わず、独立の塾に居て独立の気を養い、その期する所は全国の独立を維持するの一事に在り。然り...

學問ノスヽメ. 五編 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
力を増し、〔彼の〕薄弱なる独立を移して、動かすべからざるの基礎に置き、外国と鋒を争て毫も譲ることなく、今より数十の新年を経て、顧て今月今日の有様を回想し、今日の独立を悦ばずして、却てこれを愍笑するの勢...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 八編

學問ノスヽメ. 八編 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...来るものなり。○以上五の者は人に欠くべからざる性質にして、この性質の力を自由自在に取扱い、以て一身の独立を為すものなり。扨独立と云えば、独り世の中の偏人奇物にて、世間の附合もなき者のように聞ゆれども、...

學問ノスヽメ. 八編 - 16 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...る者を兄弟と名づけ、父母兄弟共に住居する処を家と名づく。然るに今、兄弟、父を共にして母を異にし、一父独立して衆母は群を成せり。これを人類の家と云うべきか。家の字の義を成さず。仮令いその楼閣は巍々たるも...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 九編

學問ノスヽメ. 九編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...のみ。○故に人として自から衣食住を給するは難き事に非ず。この事を成せばとて敢て誇るべきに非ず。固より独立の活計は人間の一大事、汝の額の汗を以て汝の食を喰えとは古人の教なれども、余が考には、この教の趣旨...

學問ノスヽメ. 九編 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
久の策に心配し、兎にも角にも一軒の家を守る者あれば、自から独立の活計を得たりとて得意の色を為し、世の人もこれを目して不覊独立の人物と云い、過分の働を為したる手柄ものゝように称すれども、その実は大なる間...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 十編

學問ノスヽメ. 十編 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、始て西洋諸国の文明と鋒を争うの場合に至るべきなり。○ 今の学者何を目的として学問に従事するや。不覊独立の大義を求ると云い、自主自由の権義を快復すると云うに非ずや。既に自由独立と云うときは、その字義の...

學問ノスヽメ. 十編 - 9 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
めず、国中の人と共に力を尽し、この日本国をして自由独立の地位を得せしめ、始て内外の義務〔を〕終たりと云うべし。故に一軒の家に居て僅に衣食する者は、これを一家独立の主人と云うべし、未だ独立の日本人と云う...

學問ノスヽメ. 十編 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...今の学者たる者は決して尋常学校の教育を以て満足すべからず、その志を高遠にして学術の真面目に達し、不覊独立、以て他人に依頼せず、或は同志の朋友なくば一人にてこの日本国を維持するの気力を養い、以て世のため...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 十二編

學問ノスヽメ. 十二編 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、唯阿片を作て支那人を毒殺し、独り英商をしてその間に毒薬売買の利を得せしむるのみ。土耳古の政府も名は独立と云うと雖ども、商売の権は英仏の人に占められ、自由貿易の功徳を以て国の物産は日に衰微し、機を織る...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 十五編

學問ノスヽメ. 十五編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ザ」なり。仏蘭西の人民は貴族の跋扈に疑を起して騒乱の端を開き、亜米利加の州民は英国の成法に疑を容れて独立の功を成したり。今日に於ても、西洋の諸大家が日新の説を唱えて人を文明に導くものを見るに、その目的...


eBOOK : 「學問ノスヽメ. 十六編

學問ノスヽメ. 十六編 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
学問のすゝめ 十六編福澤諭吉 著手近く独立を守る事 不覊独立の語は近来世間の話にも聞く所なれども、世の中の話には随分間違もあるものゆえ、銘々にてよくその趣意を弁えざるべからず。 独立に二様〔の別〕あり...

學問ノスヽメ. 十六編 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...世話厄介にならぬ様、一身一家内の始末をすることにて、一口に申せば人に物を貰わぬと云う義なり。 有形の独立は右の如く目にも見えて弁じ易けれども、無形の精神の独立に至ては、その意味深くその関係広くして、独...

學問ノスヽメ. 十六編 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
心をして独立を得せしめずと云う義なり。今日世の人々の行状を見るに、本心を制するものは酒のみならず、千状万態の事物ありて、本心の独立を妨ること甚だ多し。此の着物に不似合なりとて彼の羽織を作り、此の衣裳に...

學問ノスヽメ. 十六編 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...も非ず、〔煙〕烟の如き夢中の妄想に制せられて、一身一家の世帯は妄想の往来に任ずるものと云うべし。精神独立の有様とは多少の距離あるべし。その距離の遠近は銘々にて測量すべきものなり。 斯る夢中の世渡りに、...

學問ノスヽメ. 十六編 - 9 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
は無用の雑物、身に残るものは奢侈の習慣のみ、憐れと云うも尚おろかならずや。産を立るは一身の独立を求むるの基なりとて心身を労しながら、その家産を処置するの際に、却て家産のために制せられて、独立の精神を失...


eBOOK : 「童蒙をしへ草. 初編. 一

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 11 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
(イ)百姓其子に遺言の事寓言(ロ)ケレシン魔法を仕ふ事(ハ)出精する大工の事(ニ)ベンジヤミン、フランクリンの事(ホ)風阿、里茶土が諺の事フランクリンの文(ヘ)閑にして居られぬ事(ト)将軍スピノラの事第五章 自から其身を動かし、自から其身を頼み、一身の独立を謀る事(イ)力の神と、御者との事寓言

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 85 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...性質よく物事を勉て耻を知り人物重々しくして深切なるに由り、其為す所の事一として仕損ずることなく次第に独立の活計を為すに至り、身代の富むに従て其人物も亦自から立上り、遂に其土地の裁判司に任ぜられて甞て自...

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 90 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に詳なり。)年既に老成に及び北亜米利加の諸州、其本国の英吉利と不和を起し数年の合戦にて遂に亜米利加の独立を成せしことあり。此騒動の時にもフランクリンは亜米利加の謀主となりて其功少なからず、亜米利加新政...

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 101 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...「さもあらん閑暇無為の力は鬼武者を殺すに足れり」と。第五章 自から其身を動かし自から其身を頼み一身の独立を謀る事凡そ人たる者其身の活計を立て随て世の開化を助成さんには其方便を銘々の身に求めざるべからず...

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 106 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ら自分の仕事を為さんとありては必ず其言葉に相違あるまじとて即日に麦畑を立退しと云ふ。(ハ)貴族ロベルトの事千七百二十二年蘇格蘭の北の方に古来名家と唱ふる貴族サー、ロベルトなる者あり。年十九歳にして不幸に遇ひ貧窮甚だしくして貴族の家を立ること能はず。其時世上の風俗に従へば貴族の身分にて斯く困窮に及ぶときは親類朋友の厄介となる歟、又は政府の扶助を蒙るべき筈なれども、ロベルトは之を好まず何とかして自分独立の活計を為さんと決定したり。されども固より貴族の家に生れし者にて

童蒙をしへ草. 初編. 一 - 109 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
思ひ兵卒の奉公を求たるなりと述ければ、隊長も且驚き且称歎し其独立の気象に心酔して、こは唯ならぬ人物とて取敢ず其日の当番を免し馳走を設けて共に飲食し、自から箪子の衣裳を出して何れにても気に叶ひし品を撰び...


eBOOK : 「童蒙をしへ草. 初編. 二

童蒙をしへ草. 初編. 二 - 79 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...斯る扶助を受て友達の約介とならんより、公に設けたる貧院に入りて世上一般の救を頼むこそ本意なれと、不覊独立の意を決して貧院に這入たり。世間並の人なれば貧院などへ入ることは不外聞に思ふべき筈なるに、バツト...


eBOOK : 「帳合之法. 初編. 一

帳合之法. 初編. 一 - 13 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...には既に軍役の勤もあらず、労せずして報を得んとするは男子の耻つ可き所なり。然るを尚も此の米に粘着して独立の活計を立てんとする者なきは果して何の心ぞや。人心の暗愚斯の如くなるとは実に不可思議なれども其本...

帳合之法. 初編. 一 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
独立の大志を起さしめんとするの趣意なり。一書中都て金の高を書くに何千何百何十と記さずして一より九までの数字を用ひ、其数字の位を見て金高を知ること恰も算盤の桁を見るが如し。左に其一例を示す一二三、四五〇...


eBOOK : 「文明論之概略. 巻之一

文明論之概略. 巻之一 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
地位と云うべきのみ。されば今世界中の諸国に於て、仮令いその有様は野蛮なるも或は半開なるも、苟も一国文明の進歩を謀るものは欧羅巴の文明を目的として議論の本位を定め、この本位に拠て事物の利害得失を談ぜざるべからず。本書全編に論ずる所の利害得失は、悉皆欧羅巴の文明を目的と定めて、この文明のために利害あり、この文明のために得失あり、と云うものなれば、学者その大趣意を誤る勿れ。 或人云く、世界中の国々相分れて各独立の体を成せば、又随て人心風俗の異なるあり、国体政治の同じか

文明論之概略. 巻之一 - 66 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ば、その働を和好平安の事に施すべからずして、専ら之を治民制人の方便に用い、腕力と互に依頼して未だ智力独立の地位なるものなし。今試に世界の諸国を見るに、野蛮の民は勿論、半開の国に於ても、智徳ある者は必ず...

文明論之概略. 巻之一 - 81 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...為にするよりも勉め、一政府の下に居て自から支配し他の政府の制御を受るを好まず、禍福共に自から担当して独立する者を云うなり。西洋の語に「ナシヨナリチ」と名るもの是なり。凡そ世界中に国を立るものあれば亦各...

文明論之概略. 巻之一 - 83 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
日耳曼の諸国の如きは 、各独立の体を成すと雖どもその言語文学を同うし懐古の情を共にするが為に、今日に至るまでも日耳曼は自から日耳曼全州の国体を保護して他国と相別つ所あり。 国体はその国に於て必ずしも終...

文明論之概略. 巻之一 - 122 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て、国と云う義なり。故に文明とは人間交際の次第に改りて良き方に赴く有様を形容したる語にて、野蛮無法の独立に反し一国の体裁を成すと云う義なり。 文明の物たるや至大至重、人間万事皆この文明を目的とせざるも...

文明論之概略. 巻之一 - 148 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...七百七十五年に至ては既に十三州の地を占め、遂に本国の政府に背き、八年の苦戦、僅に勝利を得て、始て一大独立国の基を開きたり。即ち今の北亜米利加合衆国、是なり。抑もこの国の独立せし由縁は、その人民敢て私を...

文明論之概略. 巻之一 - 149 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...するに非ず、至公至平の天理に基き、人類の権義を保護し、天与の福祚を全うせんがためのみ。その趣旨は当時独立の檄文を読て知るべし。況やその初め、かの一百一名の先人が千六百二十年十二月二十二日、風雪の中に上...

文明論之概略. 巻之一 - 150 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
なるべし。二百五十年以前既にこの精神あり。次で千七百七十年代独立の戦争も、この精神を承けてこれを実に顕わしたるものならん。戦争終て後に政体を作りたるもこの精神に基きしことならん。爾後国内に行わるゝ百工...


eBOOK : 「文明論之概略. 巻之二

文明論之概略. 巻之二 - 54 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...と云うものも、亦唯時勢に適して人民の気力を逞うせしめたることを云うのみ。千七百年代に亜米利加合衆国の独立したるもその謀首四十八士の創業に非ず、「ワシントン」一人の戦功に非ず。四十八士の輩は唯十三州の人...

文明論之概略. 巻之二 - 55 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
事実の有様に顕わし、「ワシントン」はその気力を戦場に用いたるのみ。故に合衆国の独立は千歳一遇の奇功に非ず、仮令い当時の戦に敗して一時は事を誤ることあるも、別に又四百八十士もあり、別に又十名の「ワシント...


eBOOK : 「文明論之概略. 巻之四

文明論之概略. 巻之四 - 60 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...紊れざるものありて、政府も人民も互に面目を失するの患あることなし。今の世界に居て一国の文明を進めその独立を保たんとするには唯この一法あるのみ。時代の移るに従て人智の発生するは猶小児の成長して大人と為る...

文明論之概略. 巻之四 - 76 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に自から豪邁慷慨の気を存して不覊独立の風あり。蓋しこの気風は人類の本心より来りしものにて、即ち自から認めて独一個の男子と思い、自から愉快を覚るの心なり、大丈夫の志なり、心志の発生留めんとして留むべから...

文明論之概略. 巻之四 - 77 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
見たり。後世欧羅巴の文明に於て、一種無二の金玉として今日に至るまでも貴重する所の自由独立の気風は、之を日耳曼の賜と云わざるを得ず。(自由独立の気風は日耳曼の野蛮に胚胎せり) 野蛮暗黒の時代漸く終て周流...

文明論之概略. 巻之四 - 78 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に割拠して一の部落を成し、山に拠て城を築き、城の下に部下を集め、下民を奴視して自から貴族と称し、現に独立の体裁を備えて憚る所なく、武力を以て互に攻伐するのみ。暗黒の時代に在ては、世の自由なるもの一身一...

文明論之概略. 巻之四 - 86 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の体なれども、唯市民の権を以て更に他人を撰挙して之に代らしむるの定限あり。 斯の如く市民の群を成して独立するものを「フリイ・シチ」と名け、或は帝王の命を拒み或は貴族の兵と戦い、争乱殆ど虚日あることなし...

文明論之概略. 巻之四 - 87 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ず、更に条約を結でその自立を認め、各市邑に城郭を築き兵備を置き法律を設け政令を行うことを許して、恰も独立国の体裁を成すに至れり。(民政の元素) 以上所記の如く、紀元三、四百年の頃より、寺院なり、立君な...


eBOOK : 「文明論之概略. 巻之五

文明論之概略. 巻之五 - 18 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...のなり。往古より今日に至るまで交際の種族は少なからずと雖ども、結局その至る所はこの二元素に帰し、一も独立して自家の本分を保つものなし。(治者と被治者と相分る) 人を治るはその事固より易からず。故にこの...

文明論之概略. 巻之五 - 39 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...りその時の勢なれば今より之を論ずべからず、之を論ずるも万々無益なれども、若し藤吉をしてその昔欧羅巴の独立市邑に在らしめなば、市民は必ずこの英雄の挙動を悦ばざることなるべし。或は又た今の世に藤吉を生じて...

文明論之概略. 巻之五 - 40 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...古より今に至るまで遂に相容るゝことを得ざるものなり。蓋し欧羅巴にて千二、三百年代の頃、盛に行われたる独立市民の如きは、その所業固より乱暴過激、或は固陋蠢愚なるものありと雖ども、決して他に依頼するに非ず...

文明論之概略. 巻之五 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ざれば、自から他に代て他の事を為し、暴を以て暴に易えんとするが如きは、鄙劣の甚しきものなり。之を西洋独立の人民に比すれば雲壌の相違と云わざるべからず。昔支那にて楚の項羽が秦の始皇の行列を見て、彼れ取て...

文明論之概略. 巻之五 - 43 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...からずと雖ども、その事跡を見れば項羽に非ざれば漢祖なり。開闢の初より今日に至るまで、全日本国中に於て独立市民等の事は夢中の幻に妄想したることもあるべからず。(国民その地位を重んぜず) 宗教は人心の内部...

文明論之概略. 巻之五 - 54 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
問の盛衰は世の治乱と歩を共にして、独立の地位を占ることなく、数十百年干戈騒乱の間、全く之を僧侶の手に任したるは、学問の不面目と云わざるを得ず。この一事を見ても儒は仏に及ばざること以て知るべし。然りと雖...

文明論之概略. 巻之五 - 60 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...多に命ずるが如し。卑屈賤劣の極と云うべし。この輩に向て又何をか求めん、又何をか責めん。その党与の内に独立の社中なきも怪むに足らず、一定の議論なきも亦驚くに足らざるなり。加之、政府専制よく人を束縛すと云...

文明論之概略. 巻之五 - 70 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...末世に北狄の侵入せし時代に比して彷彿たる有様と云うも可なり。この事勢の中に在ては日本の武人にも自から独立自主の気象を生じ、或は彼の日耳曼の野民が自主自由の元素を遺したるが如く、我国民の気風も一変すべき...

文明論之概略. 巻之五 - 100 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
も、人々自からその身に依頼して独立進取の路に赴くべし。試に彼の貧民に向て問わば、口に云う能わずと雖ども、心には左の如く答ることならん。我は貧乏なるが故に富人に従順するなり、貧乏なる時節のみ彼に制せらる...


eBOOK : 「文明論之概略. 巻之六

文明論之概略. 巻之六 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
文明論之概略 巻之六福澤諭吉 著第十章 自国の独立を論ず 前の第八章第九章に於て、西洋諸国と日本との文明の由来を論じ、その全体の有様を察して之を比較すれば、日本の文明は西洋の文明よりも後れたるものと云...

文明論之概略. 巻之六 - 4 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、文明の後るゝ者は先だつ者に制せらるゝの理をも知るときは、その人民の心に先ず感ずる所のものは、自国の独立如何の一事に在らざるを得ず。抑も文明の物たるや極て広大にして、凡そ人類の精神の達する所は悉皆その...

文明論之概略. 巻之六 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...明の進歩には段々の度あるものなれば、その進歩の度に従て相当の処置なかるべからず。今我人民の心に自国の独立如何を感じて之を憂るは、即ち我国の文明の度は今正に自国の独立に就て心配するの地位に居り、その精神...

文明論之概略. 巻之六 - 24 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に就て衆庶一定の説なきは勿論、宗教に至ても神か仏か定むべからず、甚しきは無宗旨と名くべき者もあり、人類に於て最も大切なる霊魂の止まる所をも知らず、安ぞ他の人事を顧るに遑あらん、天道を知らず、人倫を知らず、父子なく、夫婦なし、恰も是れ現在の地獄なれば、苟も世を憂る者はこの有様を救わざるべからず、又一方より考れば、宗教を以て一度び人心を維持するを得ば、衆庶の止まる所、始て爰に定り、拡て之を政治上に施さば、亦以て一国独立の基とも為るべしとの趣意なり。決して之を軽卒なる妄説と云うべから

文明論之概略. 巻之六 - 25 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ず。実にこの道を以て今の士民を教化し、その心の非を糺して徳の門に入らしめ、仮令い天道の極度に達せざるも、父子夫婦の人倫を明にして孝行貞節の心を励まし、子弟教育の義務たるを知らしめ、蓄妾淫荒の悪事たるを弁えしむる等の如きは、世の文明に関してその功能の最も大なるものなれば、固より間然すべきものなしと雖ども、目今現に我国の有様に就て得失を論ずるときは、余は全くこの説に同意するを得ず。如何となれば彼の学者の臆測に、耶蘇の教を拡て之を政治上に及ぼし、以て一国独立の基を立てんとするの説

文明論之概略. 巻之六 - 31 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
べきが如くなれども、今直に無名の師を起さんとする者あれば、仮令い今の不十分なる文明の有様にても、不十分は不十分のまゝに、或は条約の明文あり、或は談判の掛引あり、万国の公法もあり、学者の議論もありて、容易にその妄挙を許さず。又或は唯利のために非ずして、国の栄辱のため、道理のためにとて起す師もなきに非ず。故に殺人争利の名は宗教の旨に対して穢らわしく、教敵たるの名は免かれ難しと雖ども、今の文明の有様に於ては止むを得ざるの勢にて、戦争は独立国の権義を伸ばすの術にして、貿易は国の光を

文明論之概略. 巻之六 - 32 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に対して自他の差別を作り、仮令い他を害するの意なきも、自から厚くして他を薄くし、自国は自国にて自から独立せんとすることなり。故に報国心は一人の身に私するには非ざれども、一国に私するの心なり。即ちこの地...

文明論之概略. 巻之六 - 33 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...は名を異にして実を同うするものと云わざるを得ず。この一段に至て、一視同仁四海兄弟の大義と報国尽忠建国独立の大義とは、互に相戻て相容れざるを覚るなり。故に宗教を拡て政治上に及ぼし、以て一国独立の基を立て...

文明論之概略. 巻之六 - 36 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
張し、如何にもして民心を維持してその向う所を一にし、以て我邦の独立を保たんとて、各勉る所ありと雖ども、今日に至るまで一も功を奏したるものなし、又後日に至ても一も功を奏すべきものなし。豈長大息すべきに非...

文明論之概略. 巻之六 - 71 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...他東洋の国々及び大洋洲諸島の有様は如何ん、欧人の触るゝ処にてよくその本国の権義と利益とを全うして真の独立を保つものありや。「ペルシヤ」は如何ん、印度は如何ん、邏暹は如何ん、呂宋呱哇は如何ん。「サンドウ...

文明論之概略. 巻之六 - 74 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...。固より余輩の願う所に非ず。仮令い或はその文明をして頗る高尚のものならしむるも、全国人民の間に一片の独立心あらざれば文明も我国の用を為さず、之を日本の文明と名くべからざるなり。地理学に於ては土地山川を...

文明論之概略. 巻之六 - 75 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...からその国を保護し自からその権義と面目とを全うするものを指して名を下だすことなり。若し然らずして国の独立文明は唯土地に附して人に関せざるものとせば、今の亜米利加の文明を見て「インヂヤン」のために祝すべ...

文明論之概略. 巻之六 - 88 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ならん。云く、目的を定めて文明に進むの一事あるのみ。その目的とは何ぞや。内外の区別を明にして我本国の独立を保つことなり。而してこの独立を保つの法は文明の外に求むべからず。今の日本国人を文明に進るはこの...

文明論之概略. 巻之六 - 89 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...人体の温度を保護して身を健康ならしむるの目的に達するが如し。我輩もこの一章の議論に於ては、結局自国の独立を目的に立てたるものなり。本書開巻の初に、事物の利害得失はそのためにする所を定めざれば談ずべから...

文明論之概略. 巻之六 - 90 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
極に眼を着すべしと。この言真に然り。人間智徳の極度に至ては、その期する所、固より高遠にして、一国独立等の細事に介々たるべからず。僅に他国の軽侮を免かるゝを見て、直に之を文明と名くべからざるは論を俟たず...

文明論之概略. 巻之六 - 91 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
く人なければ之を我日本の文明と云うべからず。是即ち余輩が理論の域を狭くして、単に自国の独立を以て文明の目的と為すの議論を唱る由縁なり。故にこの議論は今の世界の有様を察して、今の日本のためを謀り、今の日...

文明論之概略. 巻之六 - 92 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...らず、文明中の一大事業として之を称誉せざるべからず。唯願う所はその食を忘れ家事を忘るゝの際にも、国の独立如何に係る所の事に逢えば、忽ち之に感動して恰も蜂尾の刺蠆に触るゝが如く、心身共に穎敏ならんことを...

文明論之概略. 巻之六 - 93 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...便利に若くものなし。我国に外人の未だ来らざりし時代に在ては、国の有様は不文なりと雖ども、之を純然たる独立国と云わざるを得ず。されば今独立を以て目的と為さば古の鎖国に返るを上策とす。今日に至ればこそ独立...

文明論之概略. 巻之六 - 94 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
たる形を見て云うに非ず、我日本に外人の未だ来らずして国の独立したるは、真にその勢力を有して独立したるに非ず。唯外人に触れざるが故に偶然に独立の体を為したるのみ。之を譬えば、未だ風雨に逢わざる家屋の如し...

文明論之概略. 巻之六 - 95 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
る家屋と云うべけれ。余輩の所謂自国の独立とは、我国民をして外国の交際に当らしめ、千磨百錬、遂にその勢力を落さずして、恰もこの大風雨に堪ゆべき家屋の如くならしめんとするの趣意なり。何ぞ自から退縮して古に...

文明論之概略. 巻之六 - 96 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
り。故に又前説に返て云わん。国の独立は目的なり、今の我文明はこの目的に達するの術なり。この今の字は特に文意ありて用いたるものなれば、学者等閑に看過する勿れ。本書第三章には、文明は至大至洪にして人間万事...

文明論之概略. 巻之六 - 97 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に今の我文明と云いしは文明の本旨には非ず、先ず事の初歩として自国の独立を謀り、その他は之を第二歩に遺して、他日為す所あらんとするの趣意なり。蓋し斯の如く議論を限るときは、国の独立は即ち文明なり。文明に...

文明論之概略. 巻之六 - 99 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
るは文明の物に相違なしと雖ども、港の船は外国の船なり、陸の商館は外国人の住居なり、我独立文明には少しも関係するものに非ず。或は又無産の山師が外国人の元金を用いて国中に取引を広くし、その所得をば悉皆金主...

文明論之概略. 巻之六 - 100 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
て永き年月の後には必ず自国の独立を害すべきものなり。蓋し余輩が爰に文明と云わずして独立の文字を用いたるも、是等の誤解を防がんとするの趣意のみ。 斯の如く、結局の目的を自国の独立に定め、恰も今の人間万事...

文明論之概略. 巻之六 - 106 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...し然らずして王より飛車を重んずる者あれば、之を下手象棋と云わざるを得ず。故に今この一章の眼目たる自国独立の四字を掲げて、内外の別を明にし、以て衆庶の由るべき道を示すことあらば、物の軽重も始て爰に量るべ...


eBOOK : 「學者安心論

學者安心論 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
二千余年の独立を保ちし先人をも辱しむるに至るべし。之を重大と云わずして何物を重大と云わん。又試に見よ、今の西洋諸国は果して至文至明の徳化に洽ねくして、その人民は皇々如として王者の民の如くなるか。我人民...

學者安心論 - 53 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に比すれば易きや。今の日本の有様にては之を至難にして比すべきものなしと云わざるを得ず。然ば則ち国の独立は重大なり、外国の交際は至難なり。学者はこの重大至難なる責に当るも、尚且これを顧みず、区々たる政府...


eBOOK : 「分権論

分権論 - 61 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...せんとする者もあらん。既に商売に由て銭を損し、又裁判に由て権を失い、之に加るに売国児の在るあり。国の独立、疑うべし。弔すべきの最も大なるものなり。 右は今後を想像して不祥の有様を写し出したるものなり。...

分権論 - 67 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...各処に法律を作り、各処に軍備を設け、各処に租税を定め、各処に和戦を議するが如きは、恰も一国内に幾多の独立国を設るに異ならず。旧幕府専制の治風、妙を得たりと雖ども、歴代の欠典は政権の集合不十分なるに在て...

分権論 - 80 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...私に医業を営まんとする者の為には、屈強の病家を失うの姿なり。又内外に執行して既に成業したる洋学者が、独立の活計に路なくして多方に奔走し、心に慊しとせずして遂に官途に帰し、平々凡々たる役人と為て著しき功...

分権論 - 109 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...せざるの穏なるに若かざるが如くなれども、人々をして日本国の所在を知らしめ、推考の愛国心を永遠に養い、独立の幸福を後世子孫に譲らんとするには、今よりその方向を定るの外に手段なかるべし。人民に権力を授るは...


eBOOK : 「民間経済録. 初編

民間経済録. 初編 - 16 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...く実地の事に心掛けて力役者に依頼せず、力役者は次第に身代を作り又学問に志して智者に依頼せず、双方互に独立して天下太平なるべきなり。第三章 倹約の事 (一)力役者の人に軽蔑せらるゝは身代なきが為なり。(...

民間経済録. 初編 - 25 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『廿二勘弁なき者は学問成業の後如何なる挙動するや廿三鳶の者と学者と比較して如何廿四独立自由の精神は何の為めに消滅するや』隷の境界に沈で朽果る者甚だ多し。世に民権論の行われざるもその原因多くは論者の貧乏...

民間経済録. 初編 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
記者の人に勧る倹約の者は如何うべからず。その日の所得をその日に費す者と、その月の所得をその月に費す者と、無勘弁の有様は毫も優劣あることなし。或は之を評して月越しの金を遣わざる者と云うも可なり。斯の如く所得の増すに従い暮し向の費も亦共に増して、啻に手一杯のみならず往々出入差引の不足を生じて(二十四) 借財を負う者なきに非ず。斯の如きは則ち金を得るの路は徒に借財の媒たりと云うべきのみ。既に借財あれば為に自分の志を伸ばすことも叶わず、何様に心に面白からぬ事情あるも銭を取るの路に恋着して独立自由

民間経済録. 初編 - 27 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...輩が人に勧る倹約の旨は、爪に火を灯して金銭を積み、之を目に見て快楽とするに非ず。金銭の権を我れに握て独立快活の精神を逞うせんが為なり。学者これを誤る勿れ。第四章 正直の事 (一)経済に大切なるものは智...


eBOOK : 「民間経済録. 二編

民間経済録. 二編 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
民間経済録二編序 経済に二様あり。先ず一家の産業を修めて労して衣食し、衣食して又労し、以て家の独立を保護す。之を居家の経済と云う。一家の産業既に立ち、衣食に余あり智徳に余あれば、則ち戸外の事に心を関し...

民間経済録. 二編 - 96 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...則ち自由なるが如くなれども、一国の全局に就て論ずれば、不経済の甚しきものと云うべし。(九)人民の自由独立を重んずるは英国を以て世界第一と称し、その国事細大となく人民の手に委ねて政府の干渉する所甚だ稀な...

民間経済録. 二編 - 107 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...のは悉皆人民の租税より出ること固より言うを俟たずして明なり。今この(三)国財を集るは何故と尋るに、唯独立国の保護に費散するが為のみ。(四)国民は必ずしも善人のみの叢淵に非ず、又同志者の集会に非ず。往々...

民間経済録. 二編 - 108 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
『るや、又如何、又如何、又如何六 外国交際を開けば如何七 この費は結局何の為か』るに至ては海陸の兵備もなかるべからず、又境を定めて一国を立る上はその土地人民の秩序を保存するの仕組もなかるべからず、又是等の為に財用を出納すればその出納の官をも設けざるべからず。右は何れも一国内の事務にして、財を要すること既に少なからず。(六)之に加るに外国と交際の路を開て互に通信貿易の事を行うときは、之が為に費す所のものも実に容易ならず。(七)何れも皆独立国を保護するの費にして、恰も一国の独立を買うが為にその代価として払う所の財と知るべし。

民間経済録. 二編 - 110 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...あれば則ち伐て取るべし。天地間に之を妨ぐる者あることなし。(十一)斯る危き各国交際のその中に立て、我独立を保護して又随て他の独立を倒さんとするに、兵備の要用なる固より智者を俟たずして明なり。千八百七十...

民間経済録. 二編 - 118 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の民力は如何』廿九 廃藩前後を比』唯節倹とのみ唱るが如きあらば、余輩の取らざる所なり。(廿七)一国の独立はその国民一般の負担する所なれば、自から負担する事に就て自から財を吝しむは、自からその事を棄る者...

民間経済録. 二編 - 126 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...至ては断然固陋の旧習を脱して永遠の大計に眼を着し、費すべきに費し、吝しむべからざるに吝まずして、以て独立国の体面を維持せんが為に今より心に覚悟する所あらしめんとするの趣旨なり。読者幸に之を誤る勿れ。(...


eBOOK : 「福澤文集. 上

福澤文集. 上 - 47 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に議論することある可し○故大槻磐水先生五十回追遠の文事を為すに外物を目的として為にする所あるものは独立の事に非ず独立の事に非ざれば永遠に持続して其功徳を後世に遺すに足らず名誉の為に勉強せん歟、名誉を得...

福澤文集. 上 - 53 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...めず今の学者も亦多事なりと云ふ可し学者勉めざる可らず其発論の奇たるを恐れず其事業の怪たるを憚らず一個独立の精神を発達して傍に人なきが若くし以て先人が時論に安んぜざりし模範を学ぶことあらば幾くは之に耻る...

福澤文集. 上 - 82 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
進退独立の議論も又無益ならん滔々たる者天下皆是なり如何ともす可らざるが如し然りと雖ども滔々たる天下は猶滔々たる火事の如くにして盛なれども火事の滔々に火元あれば此滔々にも亦必ず之を起すの源なきを得ず之を...

福澤文集. 上 - 113 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...には寝耳に水の如く足下から鳥の如く唯茫然として之を天災と明らめ平気の平左衛門とは果して何の心ぞや蓋し独立の学問とは我身を守り我家を護するの趣意なり田舎の富民、子供に執行金を奮発して灰吹の掃除すべきなり...


eBOOK : 「福澤文集. 下

福澤文集. 下 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...重からしむるものは武力にも在らず又交際法にも在らず熟目今の有様を察し推して今後の成行を量りて僅に他日独立の望を属す可きものは唯学術と商売との二箇条のみ今日我国の学術決して独立したるものに非ず彼に学び彼...

福澤文集. 下 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
数十年の後には昔日の大儒が漢を学て却て漢の右に出たるが如く今の洋学者も洋を学て遂には洋人の未だ知らざる所を発明工夫して日本人が日本一家の説を唱るに至るの日もあるべし又今の外国貿易も今の有様にては殆ど望なきが如くなれども天下経済の妨碍を除て物産商売金融の権を人民の手に握り自国自家の勤工を以て自国自家の消費を償ふを得るに至らば次第に外商の束縛を脱して彼我対立の貿易を為すの勢に達す可し方今天下の事務多端なりと雖も就中国命の関する所の大本は唯貿易の一箇条にして外国の貿易と自国の勤工と平均を得れば日本は独立するを得可し若し然ら


eBOOK : 「福澤文集. 二編. 巻二

福澤文集. 二編. 巻二 - 36 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
を尋れば決して独立のものに非ず必ず世禄に相伴ひ禄の実と閥の名と互に相助けて始て封建士族の体面を全ふす可きものなるに今鹿児島の旧藩に於ては此禄を求むるに自分かせぎにて売買勝手次第とあれば唯一個の働を以て...

福澤文集. 二編. 巻二 - 95 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
らず甚しきは日本国は亜細亜の何れの辺に在て独立の一国なるや否をも知ず或は地図を見て支那の近傍なれば支那と同国なりと思ふ者もあらん漫然たる世界実にたわいもなき者なり世の学者先生は動もすれば同国の人を咎め...

福澤文集. 二編. 巻二 - 100 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
の前後を争ひ以て一国独立の権勢を主張せんこと余輩の中心に希望して措く能はざる所なり○(明治十二年一月廿五日)慶應義塾新年発会之記温故知新人間の快楽何ものか之に若かん本日新年の発会に付聊か当塾の履歴を述...

福澤文集. 二編. 巻二 - 108 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...とても此兄弟なる者益相親み益相助けて互に其善を成し互に其悪を警しめ世に阿ることなく世を恐るゝことなく独立して孤立せず以て大に為すあらんこと諸君と共に願ふ所なり既徃を悦ぶの余り兼て又将来の企望を記し以て...


eBOOK : 「通俗民權論

通俗民權論 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...国となれば又一国の権理あり。即ち民権、国権の名ある由縁にして、民権とは人民たる者の一分なり、国権とは独立国たる者の一分なり。譬えば一村一町の人民が申合して火附、盗賊の用心を為し、一郡一県の相談にて道路...

通俗民權論 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...来の習俗と官民の不注意とに在るものならん。第二章 官民職分之事 餅は餅屋、酒は酒屋、各その職分あり。独立の一国あれば政府なかるべからず。国を守る為には兵備入用なり。罪人あれば刑法入用なり。政府を支るに...

通俗民權論 - 35 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...は、当代の我々が先代の余徳を蒙るに異ならず。されば今この時代に民権を伸ばして国の基を立て、官民諸共に独立国の面目を張ること、至大至重の事なるか、若しその事の重大なるを知らば、之を求るが為には煩労を憚る...

通俗民權論 - 39 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...所にして、之を愚鈍と云うべからず。又百姓なり俗物なりと云うと雖ども、耕作を勉め商売営業を励み以て一家独立の活計を為すの働は、学者士族の右に出る者多し。されども今日の実際に於ては、学者士族の流が国中にて...

通俗民權論 - 66 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...いんとするも、恰も蒸気に釜なきが如く、遂に用を為すこと能わず。結局人に腕力の頼むべきものなくしては、独立の功業は成り難きものと知るべし。その大切なること之を智力に比して毫も優劣なきものなり。 抑も人間...

通俗民權論 - 74 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...就て見るべし。第八章 諸力平均之事 人民たる者の本分を遂げて、所謂民権を張り之を国権に及ぼして、永く独立国の体面を全うせんとするには、前条々に記す如く、智力なかるべからず、財力なかるべからず、一身の品...


eBOOK : 「通俗国権論

通俗国権論 - 30 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...続き今の政府に至るまで大なる失策もなく、政府も人民もよく堪忍して外国の交際を全うし、その堪忍の際にも独立国の体面を損せざりしは、国の為に祝すべきことなり。 外国人が我国人に接するその有様を譬えて云えば...

通俗国権論 - 34 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ずと雖ども、人民も亦決して傍観すべからず。啻に学者士君子の流のみならず、百姓も町人も婦人も小児も常に独立国の大義を忘れずして、外国人に対しては格別に心を用い、一毫の権利をも等閑にすることなかるべし。之...

通俗国権論 - 66 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...を欲し、採るは極て多からんを欲す。事物益繁多を致して智力益活動を逞うし、小は人生一身の本分を達し大は独立一国の権を興張せんこと、余輩の常に願う所なり。第五章 前章の続 智恵の事のみを以て文明開化とすれ...

通俗国権論 - 102 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
い利益を貪るに過ぎず。世界古今の事実を見よ。貧弱無智の小国がよく条約と公法とに依頼して独立の体面を全うしたるの例なきは、皆人の知る所ならずや。啻に小国のみならず、大国と大国との間柄に於ても、正しく相対...

通俗国権論 - 103 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
基きしものか、前年、仏蘭西と日耳曼との勝敗は仏の師に名義なきが為なるか、三歳の童子もその然らざるを知るべし。今日、仏日相対立して互に相発せざるは、唯その兵力の対立するのみにして他に之を妨るものあるに非ず。他日若し仏の兵力強くば日を滅さん、之に反すれば日に滅されん。是に於ても亦前の語を用い、各国交際の道二つ、滅ぼすと滅ぼさるゝのみと云て可なり。 西洋各国対立の風、斯の如し。況や彼の輩が東洋諸国を御するの法に於てをや。彼の不十分なる万国公法なるものをも、尚且これを用るを好まずして、唯虚喝の一法あるのみ。苟も独立

通俗国権論 - 110 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
て交際の権を全うすべきなり。苟も独立の一国として、徹頭徹尾、外国と兵を交ゆべからざるものとせば、猶一個人が畳の上の病死を覚悟したるが如く、即日より独立の名は下だすべからざるなり。 去年の夏、余が記した...


eBOOK : 「通俗国権論. 二編

通俗国権論. 二編 - 37 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...仮に今日仏蘭西をして敵国外患なからしめなば、内乱荐に起り兇徒不時に出没し、国勢は四分五裂して、遂には独立の体面を保つこと能わざるに至るべし。是即ち記者が今の仏蘭西を適例として日本の為を謀り、全国の人民...

通俗国権論. 二編 - 60 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...接して恰もその議論を器にして之を聞くときは、各適当の場所なきに非ず。某の論甚だ強剛なりと雖ども、一国独立の権を主張するには斯の如くならざるべからず、某の議甚だ柔弱なりと雖ども、文を以て外人に接するには...


eBOOK : 「民情一新

民情一新 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...のにして、その明識と云い卓見と称する者も唯新工夫を運らして新説を唱うる者より外ならず。明識卓見にして独立の精神ある士人は悉皆進取の人と云うべし。或は紀事史類の文字のみに心を用い、古人の説のみを信じて全...


eBOOK : 「時事小言

時事小言 - 82 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...舎を譲らしむるの愉快を見ること遠きにあらず。之を一個人にすれば真に丈夫の事なり、之を一国にすれば真に独立国の事なり。我輩の考案は斯の如きのみ。論者以て如何とす。必ず大なる異論もなきことならん。即ち我輩...

時事小言 - 208 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ことも亦甚だ大切なり。蓋し一国に名声栄誉の大切なるは恰も一個人の身の上に異ならず。苟も世界中の一区に独立して、他に知られず、又他を知らずして、唯内の力を養うの一方に勉るのみにては、独立の趣は変じて孤立...

時事小言 - 219 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
非ず、未だ戦わずしてその力を臆測し、外面を一見して先ず萎縮する者なれば、その国威に関する亦大なりと云うべし。 本編立論の主義は専ら武備を盛にして国権を皇張するの一点に在り。而して我輩が特にこの一点に就て喋々するものは、蓋し亦特にその由縁あればなり。抑も亜細亜と欧羅巴と二洲相対すれども、亜細亜洲の北方「サイベリヤ」は魯西亜の管内にして、その南部印度の地方は英国の所轄と為り、要するに亜細亜全洲の一半は既に西洋人の手に落ち、他の一半に国を立るものは、その西方土耳古の管轄を除き、東して「アラビヤ」「ベルチスタン」「トルキスタン」等の諸国あれども、未だ野蛮の域を免れずして立国の名を下だすにも足らず。故に独立国にして著名なるものを計れば〔波〕彼斯、暹羅、支那、朝鮮及び日本国のみ。一

時事小言 - 227 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
富み、又これに加るに百年前より医師の中に早く洋書を講じて蘭学者流の一派を成し、純粋の西洋説を主唱して改進の媒介を為したるの功も亦少なしとせず。即ち今日、我日本の文明を進歩したる所以の原因にして、東洋諸国曾て無き所のものなり。近年は支那人も稍や開成の企ある様子なれども、誠に千万中の一部分にして、容易にその力を全国に及ぼすに足らず。支那をして近時の文明に移らしめんとするには、先ずその人心の根本を改造せざるべからず。迚も日本の先例を引て速成を期すべからざるなり。然ば則ち方今東洋の列国にして、文明の中心と為り他の魁を為して西洋諸国に当るものは、日本国民に非ずして誰ぞや。亜細亜東方の保護は我責任なりと覚悟すべきものなり。抑も独立は一国の独立なり、我日本一国の独立

時事小言 - 230 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...形勢は如何なるべきや。我ためには恰も火災の火元を隣家に招きたるものにして、極度の不祥を云えば日本国の独立も疑なきに非ず。故に本編立論の主義に、我武備を厳にして国権を皇張せんとするその武備は、独り日本一...

時事小言 - 302 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
悪意を以て国を害するは固より悪むべしと雖ども、好意を以て之を害するも、害は則ち害なり。之を譬えば火災の如し。放火も失火も、火は則ち火なり。盗跖が人を殺し物を盗まんとして火を放つは誠に悪むべしと雖ども、堯舜が誤て火を失するものも亦甚だ恐るべきが如し。国権の一点より視て後世の利害を謀るときは、その人物の正不正は以てその罪を軽重するに足らざるなり。或は西洋諸国は耶蘇宗教の国にして、その人民皆護国の気力に富むは、この論旨に反するが如くなれども、その宗教はその国固有の宗教にして、恰もよくその政治に密着して政治の働を害せざるのみならず、時としては宗教の為に政治の方向を改めて、国権と宗権とを合併するが故にその害を見ざるものなり。亜米利加合衆国の独立の如き、即ち是なり。宗教本来の旨を論

時事小言 - 303 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ずれば、この独立の師も極めて不公平にして、護国心の極て活溌なるものなれども、信心の自由を得んが為なりと云い、宗旨の圧制に敵するものなりと云えば、その名義も亦宗教の旨に違わずして、無為公平なる宗教内に居...

時事小言 - 338 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
べきもの甚だ少なからず。日本人民の身体を強壮にする事、日本の学術、商売、工業を西洋に離れて独立せしむる事、又実際に亘れば徴兵令を改革して戸主嫡子の別なく一切これを免さず、仮令い代人料を払う者にても男子...


eBOOK : 「帝室論

帝室論 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ものなり。この一点は皇学者と同説なるを信ず。是即ち我輩が今日国会の将さに開んとするに当て、特に帝室の独立を祈り、遥に政治の上に立て下界に降臨し、偏なく党なく、以てその尊厳神聖を無窮に伝えんことを願う由...

帝室論 - 32 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...全の策に従事するを得せしむるは、天下無上の美事にして人民無上の幸福と云うべし。是れ我輩が偏に我帝室の独立を祈願する由縁なり。方今世の民権論者も帝室を尊崇すると言い又実に尊崇するの意ならんと雖ども、その...

帝室論 - 53 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
事を監督するに止まりて、直に学校を支配するの慣行は止むことならんと信ず。天下既に官立の学校なし。仮令い是れあるも全国の学士を養うに足らず。然ば則ち私立の学校を奨励して之を盛大ならしむるの外に方便あるべからず。然るに今日各地に在る私学校の有様は、実に微々たるものにして、見るに足るべきものなし。よく数百の生徒を教育してその法を誤らず、之を十数年に維持して学校の名に恥じざるものは、日本国中僅に指を屈するに足らず。小学下等の教は地方の協議に附して小学校に任すべしとするも、苟も小学以上学術の部分を以て、之をこの微々たる私立学校に任ぜんとするは、固より行わるべき事柄にあらず。是に於てか、我輩の大に冀望する所は、帝室に於て盛に学校を起し、之を帝室の学校と云わずして私立の資格を附与し、全国の学士を撰てその事に当らしめ、我日本の学術をして政治の外に独立せしむるの一事に在り。文化漸く進

帝室論 - 54 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るも可ならん。その細目の如きは実際の談として姑く擱き、兎に角にこの大体の趣向にて、我学術を政治社外に独立せしめてその進歩を促すは、内国の利益幸福のみならず、遠く海外に対して、日本の帝室は学術を重んじ学...

帝室論 - 57 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...めなば、全国靡然として風を成し、政治社外に純然たる学者社会を生ずるを得べし。是に於てか始めて我学問の独立を見るべきなり。且又学者なるものは、政治家に比すれば生活の趣を殊にして、衣食住の外見を装う者に非...

帝室論 - 58 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...奉ぜんと記したるは、我日本の学問をして、仮令いその主義は之を西洋近時の文明に取るも、之を取て以て遂に独立すること、今の漢学がその源を支那に取て遂に我国に独立したるが如くならしめんと欲するの趣意にして、...

帝室論 - 68 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
様々の工夫を以て、徳川政府十五世の間に芸術将励の一事は甚だ行届たるものなり。今日は既に幕府なし、又諸侯なし。是に於てか全国人心の中心栄誉の源泉なる帝室に於て、今の民情を視察し前年の例を斟酌して、或は勲章の法を設け、或は年金の恩賜を施し、或はその人に拝謁を許され、或は新古の名作物を蒐集せらるゝ等の事あらば、天下翕然として一中心に集り、栄誉の源泉に向て功名の心を生じ、我芸術を将さに衰えんとしたるに挽回して、更に発達の機を促すのみならず、人心の帝室を慕うに一層の熱を増して、益その尊厳神聖を仰ぐに至るべきなり。 帝室は人心収攬の中心と為りて国民政治論の軋轢を緩和し、海陸軍人の精神を制してその向う所を知らしめ、孝子節婦有功の者を賞して全国の徳風を篤くし、文を尚び士を重んずるの例を示して我日本の学問を独立せしめ、芸術を未だ廃せざるに救うて文明の富を増進する等、その功


eBOOK : 「兵論

兵論 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ふたる新聞紙にして偶然にも我輩の所論に同意を表し大に賛成せられては其人の好意は忝なしと雖ども我輩自家独立の信を世に失はんことを恐るゝなり之を譬へば山野独歩の折柄偶然に我が後より猟師の尾し来るあれば我れ...


eBOOK : 「徳育如何

徳育如何 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...何なる独主独行の士人と雖ども此間に独するを得ざるは伝染病の地方に居て独り之を免かるゝの術なきが如し、独立の品行誠に嘉みす可しと雖ども自から其限あるものにして限界を越へて独立せんとするも人間生々の中に在...

徳育如何 - 12 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
政府の革命即ち是なり開国以来我日本人は西洋諸国の学を勉め又これを聞伝へて漸く自主独立の何ものたるを知りたれども未だ之を実際に施すを得ず又其実施を目撃したることもなかりしに十五年前維新の革命あり此革命は...

徳育如何 - 25 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
都合ならん硜々然たる儒論取るに足らざるなり我日本の開国に次で政府の革命以来全国人民の気風は開進の一方に赴き其進行の勢力は之を留めて駐む可らず即ち公議輿論の一変したるものなれば此際に当て徳教の働も固より消滅するに非ずと雖ども自から輿論に適するが為に大に其装を改めざるを得ざるの時節なり例へば在昔は君臣の団結国中三百所に相分れたる者が今は一団の君臣と為りたれば忠義の風も少しく趣を変じて古風の忠は今日に適せず、在昔は三百藩外に国あるを知らずして唯藩と藩との間に藩権を争ひし者も今日は全国恰も一大藩の姿と為りて在昔藩権の精神は面目を改めて国権論に変ぜざるを得ず、在昔は社会の秩序都て相依るの風にして君臣父子夫婦長幼相依り相依られ、互に相敬愛し相敬愛せられ両者相対して然る後に教を立てたることなれども今日自主独立の教

徳育如何 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
に於ては先づ我一身を独立せしめ我一身を重んじて自から其身を金玉視し以て他の関係を維持して人事の秩序を保つ可し新に沐する者は必す冠を弾し新に浴する者は必ず衣を振ふとは身を重んずるの謂なり我身金玉なるが故...

徳育如何 - 27 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
立を勧め遂に同国人と共に一国の独立を謀るも自然の順序なれば自主独立の一義以つて君に仕ふ可し以て父母に事ふ可し以て夫婦の倫を全ふし以て長幼の序を保ち以て朋友の信を固ふし人生居家の細目より天下の大計に至る...

徳育如何 - 28 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
り天下の風潮は夙に開進の一方に向て自主独立の輿論は之を動かす可らず既に其動かす可らざるを知らば之に従ふこそ智者の策なれ、盖し学校の教育をして順に帰せしむること流に従て水を治るが如くせんとは是の謂なり徳...


eBOOK : 「學問之獨立

學問之獨立 - 3 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
学問之独立緒言 近年我日本に於て都鄙上下の別なく、学問の流行すること古来未だその比を見ず。実に文運隆盛の秋と称すべし。然るに時運の然らしむる所、人民字を知ると共に大に政治の思想を喚起して世事漸く繁多な...

學問之獨立 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
学問之独立福澤諭吉 立案中上川彦次郎 筆記 学問も政治もその目的を尋れば共に一国の幸福を増進せんとするものより外ならずと雖ども、学問は政治に非ずして学者は政治家に異なり。蓋しその異なる所以は何ぞや。学...

學問之獨立 - 19 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...行わんとしたるの罪なり。当時若しこの開成校をして幕府の政権を離れ、政治社外に逍遥して真実に無偏無党の独立学校ならしめ、その教員等をして真実に豪胆独立の学者ならしめなば、東征の騒乱何ぞ恐るゝに足らんや。...

學問之獨立 - 51 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
し。伐柯其則不遠、自心を以て他人を忖度すべし。人の心を鎮撫するの要はその身を安からしむるに在り。安身は安心の術なり。故に今帝室の保護を以て私学校を維持せしめて兼て又学者を優待するの先例を示されたらば、世間にも次第に学問を貴ぶの風を成して自然に学者安身の地位も生ずべきが故に、専業の工たり農商たり又政治家たる者の外は、学問社会を以て畢生安心の地と覚悟して政壇の波瀾に動揺することなきを得べし。我輩曾て云えることあり、方今政談の喋々を直に制止せんとするは些少の水を以て火に灌ぐが如し、大火消防の法は水を灌ぐよりもその燃焼の材料を除くに若かずと。蓋し学者の為に安身の地を作てその政談に走るを留るは亦燃料を除くの一法なり。 学問之独立


eBOOK : 「全國徴兵論

全國徴兵論 - 5 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...きに血税と云はれたることあり読者も当時この血税の字面に就て異議なかりしことならん苟も一国を立てゝ他の独立国に交り内外の不虞に備へんとするには兵力の用意なかる可らず国を護るは国民の義務にして其護国の為に...

全國徴兵論 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ものと云ふ可し第三 全国の士気を振ふて活溌ならしむる事なり封建の世に兵馬戦争の事を恐れずして勇武なる者は士族に限り、他の三民は兵事を知らず砲声を聞き兵器を見るも尚且戦慄する程の有様なりしものが全国兵の法と為りて国中の男子が徴兵期限の間服役して次第に交代すれば苟も日本国中男子にして兵を知らざる者なきに至る可し士気を士族に限らずして日本男子に普ねからしむるものと云ふ可し以上記したる如く徴兵の法は兵を取るの区域を広くし、全国の男子をして一様に護国の義務を負はしめ、国中一般に士気を振起するの旨にして今日の世界中に国を立てゝ其独立を護らんとするには此法を棄てゝ他に依頼す可き方便ある可らず我輩に於て毫も間然す可きもの

全國徴兵論 - 46 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...たるも亦一例として見る可し今や我日本には大名公卿なし又百姓町人なし共に是れ大日本国民にして共に自国の独立を護る可きものなれば改正徴兵の一令以て兵気の振ふ可き区域を広くし全国の男子貴賤貧富を問はず共に護...


eBOOK : 「通俗外交論

通俗外交論 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
なるも、談判の居合うまでには容易ならぬ困難を見るべし。是等は金銭上の損得に縁なきようなれども、独立国の権力に就ては直に差響を生じ、廻わり〱ては遂にこの方の損害と為ること少なからずして、内外の交際も自然...


eBOOK : 「日本婦人論. 後編

日本婦人論. 後編 - 49 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...政の光はなお耀きて暗にあらず。夫れ是れする中には幼少の子供も成長して第二世の光明を放つべし。即ち是れ独立の家の相続法なり。古来世間にこの反対の例多きは、全く男子の不心得として、婦人を一人前の人として取...

日本婦人論. 後編 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
産を所有して兼てたしなみの芸能あれば、生涯男子に依頼するに及ばず、独立の精神も自然にこれに由りて生ずべし。即ち女子の教育を学校のみに任せずして、家事世事を以て教るの工風なり。 扨今の世に斯る女子が多け...


eBOOK : 「士人處世論

士人處世論 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...とするには他の場所に名利の得らるべき道を開くこと肝要なるべし即ち其場所とは工業商売の事にして苟も人民独立の事業を執り利益を得て又随て栄誉を燿かすことを得れば必ずしも官途の一方に固着して執念深く之を求る...

士人處世論 - 7 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...にして官民双方のために至極便別なるべしと信ず我輩が平生人に工商事業の利益を説き自から其身分を重んじて独立の栄誉を維持すべしと勧るも其微意はこの辺に在るものなり右は官途の事業と民間工商の事業とを較べて民...

士人處世論 - 35 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
るが為に斯の如きのみ今官員の辞職死亡は士族廃藩の厄に異ならず其在職中に家計のいよ〱盛なりし者が後日の苦痛いよ〱甚しかるべきは旧藩士族の大禄なりし者が廃藩の後に一段の難渋を感ずると同様なるべし左れば後進士人が官途に意気揚々たるものを見て羨ましきに堪へざるが如くなるは壮年の血気に尤も至極なれども壮年は百年の壮年に非ず永久に子孫の謀を為したらば官途必ずしも羨むに足らざるの事実を発明することあるべし況や人生は官途の外に成すべきの事業取るべきの功名甚だ多くして然かも其事業功名こそ永く天下後世に痕跡を遺すべきに於てをや古人言あり寧ろ鶏口たるも牛後たる勿れと、政府の尾に附て国民の租税を食ひ其資本に依頼して事を為さんよりも一身小なりと雖ども奮て独立の事を行ひ以て文明男子の名に愧る勿れ

士人處世論 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...立身を求めたる者なりしが其これを求るや例の如く官途の外に安宅を見ず最初の程は其人も西洋の説を説き不覊独立断して自力に食み以て社会の通弊を矯るなど由々しき言を放つと雖ども顧みて官途を見て好地位あれば之に...

士人處世論 - 43 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...が故に幸に其身に附きたる名望と才力と資本とを利用して純然たる商工社会に新地位を占め全く官途に離別して独立の事業を起すときは其身に利するのみならず率先の実例を後進生に示して其鋭気を引立るの功能実に洪大な...


eBOOK : 「品行論

品行論 - 30 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...娟の春色を探る者あり、又自家の晩春に緑葉陰を成し子の枝に満たるを厭ふて之を棄る者あり、如何にも男子は独立の男子なり、己れの生涯の配偶を択ぶに父母に問ふの道理はなかるべし我輩これを咎めずと雖ども妻を娶る...

品行論 - 54 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...均に於て後進の言行は先進の型に鋳冶せらるゝものにして抜群の天資を具ふる人物に非ざれば能く此型を脱して独立するものなきを常とす故に品行の一事に於ても後進の取て以て手本とする所は先づ近く先進の例に傚ひ其醜...

品行論 - 66 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...にして其体を見る者なく醜声高くして其声を聞く者なきの安気なれば今の男子の品行正しからんと欲するも苟も独立独行の気象あるに非ざれば決して得べからざるなり我輩既に章を重ねて日本男子品行の事に付き所見を陳べ...


eBOOK : 「男女交際論

男女交際論 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...より重んずる所のものなれども、肉交必ずしも情交に伴うを要せず、両様の間甚だしき距離あるものにして、各独立の働を為すのみならず、その性質を吟味すれば、肉交の働は劇にして狭く、情交の働は寛にして広く、而し...

男女交際論 - 22 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
とは婬乱を防げとの事なり、然らば則ち男女相近づくべからず、夫婦の外面親しくすべからず云々とて、種々様々の言を口にして又筆にして、その実際は大切なる情交の発達を妨げながら、之を世教の主義と名け、国の政治に発しては法律と為り、民間に伝えては風俗習慣と為り、尚おその上にも男尊女卑の弊風中に得々として、その世教の鋒先きは独り婦人の方に向い、独り婦人をして鬱憂の苦界に沈ましむるのみならず、男子も共に情交の快楽を失い、以て今日の無情殺風景に立至りて文明開進の歩を遅々たらしむるものは、畢竟学者の不明にして情交と肉交との区別を知らず、男女の関係を論ずるに都て肉交を根本にして立言したるの罪なり。学者の一言一論は千歳を誤る。我輩は返す〱も和漢の古学に向て不平を鳴らさゞるを得ざるなり。 情交と肉交と各独立して各その働を逞うし、甲者必ずしも乙者に伴う

男女交際論 - 28 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...は世人が口にこそ言わざれども少しく思慮すれば明に自から発明することならん。 男女の情交は肉交に離れて独立すべしとの次第は、前節に示したるが如く、道理に於ても事実に於ても争うべからざるものなるに、古人が...


eBOOK : 「日本男子論

日本男子論 - 38 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...てんとするに、寧ろ無学無術の人と事を共にするも、有智の妖怪と共にするを欲せざる者なり。抑も我日本国の独立して既に数千年の社会を維持し又今後万々歳に伝えんとするは、自からその然る所以の元素あるが故なり。...

日本男子論 - 45 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...をして先ず英国の如くならしめ、然る後に実際の政事政談に及ばんことを欲するものなり。 外国と交際を開て独立国の体面を張らんとするには、虚実両様の尽力なかるべからず。殖産工商の事を勉めて富国の資を大にし、...

日本男子論 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...して不徳の国にあらず、耶蘇教国独り徳国にあらず、苟も数千年の国を成して人事の秩序を明にし、以て東海に独立したるものにして、立国根本の道徳なくして叶うべきや、耶蘇の教義果して美にして立国に要用なりとなら...

日本男子論 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るに非ずと雖ども、凡そ今の日本国人として現在の愉快、後世子孫の幸福は何を以て最とするやと尋ねたらば、独立の体面を維持して日本国の栄名を不朽に伝うるの外なかるべし。而してこの体面を栄名とを張るに聊かにて...


eBOOK : 「尊王論

尊王論 - 49 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
帝室は政府の帝室にあらずして、日本国の帝室なりと信じて疑わざるものなれば、その降臨する所に官民などの差別あるべからざるは無論のことなれども、事の外形より見て政府の筋は兎角帝室に近きが故に、爰に官民の二者相対するときは、帝室を推して政府部内に在るものゝ如くに認むる者なきに非ず。大なる誤解と云うべし。仮令え事の実際に於て帝室は政府に近しとするも、その政府は唯一時の政府にして、職員の更迭毎に施政の趣を改めざるを得ず。況んや近々国会も開けて次第にその体裁を成すときは、政府の改まるは毎々のことなるべければ、万年の帝室にして斯る不定の政府と密着するの理あらんや。尚お況んや之に密着して利害を共にするに於てをや。甚だしきは俗世界の政府と譏誉を共にするが如き忌わしき次第に至ることなきを期すべからず。我輩の最も取らざる所なれば、帝室は断然政治の外に独立して無偏無党の地位に

尊王論 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...り。如何となれば、帝室は純然たる恩沢功徳の涌源にして、不平怨望の府にあらざればなり。帝室は政治塵外に独立して無偏無党、円満無量の人望を収むべきものなればなり。維新以来僅に二十年を経て今尚お封建主従の余...


eBOOK : 「国會の前途・国會難局の由来・治安小言・地租論

国會の前途・国會難局の由来・治安小言・地租論 - 39 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
即ち相互に不時の災難出費を平均して自然に保険の実を行ひ民生をして恒ならしむるの仕組にして古来日本国に病院貧院等の設なきにも拘はらず民間に惨状を見ること稀なりしは様々の原因ある其中にも五人組の法は最も効力多しと云はざるを得ず実に国民自治の根本にして徳川政府にても最も重んずる所のものなりき又江戸にては中世寛政の頃より更に新法を設け従前の町入用を大に省略して若干の余剰を算出して其剰金の内より年々十分の七を積んで町会所の保管に附し之を七分積金と称して常に救恤の資と為し或は火災水害等不時の事変に逢ふときは必ず此資金を発して市中の貧民を救ふの慣例にして町会所にては年々の積金の外に貸付金の利子をも収入し米穀倉庫を所有し貸地等も甚だ少なからずして独立の大経済を理し政府の官吏は之に立合ふのみにして出納に喙を容れず慶應年中に至り

国會の前途・国會難局の由来・治安小言・地租論 - 115 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...着て暗々裡に凡俗社会を圧倒せんとするの小計略に過ぎず。何れも皆為めにする所ある者のみにして、苟も不覊独立の大意を解し、他人の熱に依るをとせず、又これに依るの必要なき者は、官吏社会の人を度外に置き、悠々...


eBOOK : 「實業論

實業論 - 8 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
り以来、その所論の眼目は右にも左にも偏することなく、恰も天下を一括して自家独立の意見を陳べ、唯実業の推進にのみ力を尽してその発達を冀望したりしに、所望空しからずして近年は商工界にも稍や活気を催おし、外...

實業論 - 43 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の分限に止まりて得意なる政事のみを行い、独り自から自由ならんことを願うのみ。実業は政府に依頼せずして独立の進歩甚だ易し。斯くありてこそ政府も政治上の栄誉を全うし、実業家も商業上の活動を逞うして両者相互...

實業論 - 108 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...立憲国の事に非ざれば、自今立身の法は専ら戦国の武士に傚い、諸豪大家の人物を見定めて主取りするか、或は独立の大事を企てゝ北条早雲を学ぶも亦不可なし。その辺は人々の志に任していよ〱主取りと決する上は、富豪...


eBOOK : 「福翁百話

福翁百話 - 6 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
念なりと心付き、去年来閑を偸んで筆を執り、曾て人に語りしその話を記憶のまゝ夫れ是れと取集めて文に綴り、その文漸く積んで凡そ百題を得たり。依て之を福翁百話と名け時事新報に掲載することに決し、本年三月一日より続々之を紙上に公にすべし。但し原稿の校正にも多少の時を費すことなれば、先ず一週間に二、三回ずつの積りなり。読者若しこの漫筆を見て余が微意の在る所を知り、無形の智徳以て居家処世の道を滑にし、一身一家の独立能く一国の基礎たるを得るに至らば、望外の幸甚のみ。明治二十九年二月十五日、福澤諭吉記。

福翁百話 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
因と為りて第三の結果となり、第四、第五、千転万回、遂に際限あることなく、然かもその照応の正確なるは絶対の真にして、些々たる人間などの瞞着を許さゞるものなり。有形界の事実斯の如くなれば、無形の人事に於ても亦同一様ならざるを得ず。人間の一言一行能く他の禍福の原因と為るのみならず、転回しては自身の禍福を醸すこと少なからず。吾れは彼の人の一言を聞て畢生の警と為し、又何某の徳行を慕うて修身の鑑と為し、以て安心立命の処を得たりなどの談は世に珍らしからず。又或は姑が嫁を愛し又は之を憎むが為めに嫁の心を左右して、姑も嫁も諸共に楽しみ諸共に苦しむことあり。一女子の心配に迫りて井戸に身を投ぜんとする所を見て之を止め、その情を聞きその心配を慰め、之を助け之を保護して相当の職業を得せしめ、後その女子が嫁して子を産み、その子も亦屈強の男女にして家門繁昌永く独立の生計に安んずる者あれば、気分

福翁百話 - 76 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るべし。凡そ是等の謬信淫惑は、その厚薄こそあれ、世界万国何れの時代にも跡を絶つべきに非ず。例えば卓識独立の士と称しながら、人為の爵位勲章などを身に付け、金玉を耀かして揚々自得するが如き、一種の謬惑に相...

福翁百話 - 80 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...浮世の衣食住を共にする上は、我一身一家を維持すると共に同類に対するの義務も免かるべからず。我れは是れ独立の身なり、一毫も取らず一毫も与えずと云えば、同類に縁なきものゝようなれども、他人の著したる書を読...

福翁百話 - 107 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
一歩を進めて自身肉体の保養を子に促すに至ては、聊か所望の区域を逸したるものゝ如し。抑も人生独立の本相を云えば、生れて父母に養われて身分相応の教育を受けたる上は死に至るまで自活の覚悟なかるべからず。即ち...

福翁百話 - 108 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...と云うべし。左れば父母は慈愛深くして子は孝行を尽し互の間に隔意なしとは云いながら、その子既に成長して独立の男女と為る上は、父母の求むる所にも自から制限なきを得。ず、況んや親子財物の争よりして却 て大切...

福翁百話 - 111 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...遺産は唯偶然の僥倖のみ。生れて父母に養われて至当の教育を被り、既に成年に達すれば正に他の保護を辞して独立自活すべき時節なるに、然るに世間の実際を見れば、富貴の子孫敢て富貴に居るを憚らず、浮世の行路艱難...

福翁百話 - 112 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
で父母の保護を被るのみにして、自身独立の旨は忘るべからざるものなり。衣食足りて尚お足らず (二十八) 人生の目的は労して衣食するに在りと云えば、衣食足りて能事終るべきが如くなれども、実際に於ては決して...

福翁百話 - 117 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
成年に達すれば独立すべし (二十九) 父母の恩は山より高く海より深し、終身忘るべからざるは勿論のことなれども、既に至当の教育を被りて成年に達するときは独立の生計を営むべし。即ち父母の膝下を辞するの時に...

福翁百話 - 118 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...竟新家の夫婦子女団欒の快楽あればなり。故老の干渉を許さゞる所なり。但しその第二世の人が尚お未熟にして独立の実を得ず、動もすれば老父母の差図を要し又その保護を被らんとするの事情あるか、又は親子の智愚強弱...

福翁百話 - 119 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
非ず。是れは例外として例外の処置あるべきものなり。世話の字の義を誤る勿れ (三十) 人生既に独立して自力に衣食するときは、仮令い親子の間にても漫りに干渉するを許さず、況んや他人に於てをや。親戚朋友一切...

福翁百話 - 120 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...平の種と為りし世話とは果して孰れの方の世話なるや、之を吟味したらば理非は明白に分るべし。一身尚お未だ独立するを得ずして、直に人の助力を受るか又は間接にその保護を仰ぎ恩を被るときは、随てその人の差図に任...

福翁百話 - 121 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
にして世間に対する外面を装いながら、内実一身の言行に就ては所謂成年独立の主義を気取り、全く父母の覊絆を脱して自在自儘ならんことを求め、之を求めて意の如くならざれば父母を目して入らざる世話する者なりと云...

福翁百話 - 130 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...古風なる漢学に非ず、少小の時より苦学勉強して成業の後に至り、その勉強中に得たる智識見聞を実地に施して独立の生計を為し、心身の安きを得て以て人生の目的を達せんと欲するものにして、即ち実学の本色なれども、...

福翁百話 - 155 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...して人種の異なるものゝように取成し、次第々々にその精神を上品に導くときは、幼稚軟弱の胸中にも早く既に独立の気象を生じ、周囲の悪習俗に接して稍や伝染の憂を免かるべし。或は実際の方便としては、殊更らに我子...

福翁百話 - 156 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...子供の養育に付ては家風を重んずること昔年の武家の如くにして、始めて品格を維持して誤ることなかるべし。独立の法 (四十一) 人には自信自重の心なかるべからず。自分には是れ丈けの智徳を備えて世にも愧かしか...

福翁百話 - 157 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、左りとて衣食は天より降らず地より涌かず、木石ならざる身を以て家に居り世に処し、他人の厄介を免かれて独立の義を全うせんには、この競争場裡に営々辛苦せざるべからず。人間の行路亦難しと云うべし。左れば吾々...

福翁百話 - 158 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...云う。誠に簡単明白なる区別にして、苟も士君子の心あらんには吝ならんと欲するも得べからざる次第なれば、独立の主義を全うせんとならば、吝嗇を避ると共に節倹の旨を忘るべからず。家計を綿密にして省くべきの浪費...

福翁百話 - 160 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
立の実手段を等閑に附し、浮世の小不外聞を恐れて一身の大不外聞を忘れたるが故のみ。処世の勇気に乏しき奴輩と云うべきものなり。慈善は人の不幸を救うに在るのみ (四十二) 天道是耶非耶、浮世の不幸は人為のみにあらず、早く父母を喪うて孤なる者あり、老後に子なくして独り貧しき者あり、生来薄弱にして心身の労働に堪えざる者あり、不意に病に犯されて終身起ざる者あり、尚お甚だしきは水火地震等の天災に財産を空うして、昨日の富有、今日の赤貧たる者さえなきに非ず。凡そこの類の不幸者は他人の恵与を受るの外に生活の道あるべからず。之を受けたりとて唯その恩を謝するのみ。特に心に愧ずべきに非ず。又これが為めに終身の独立を妨るにも非ず。全く経済の数を離れて慈善の意に発することなれば、之を徳界の美事として

福翁百話 - 187 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...事業も興るべし、文明も進歩すべし。俗諺に生れて死ぬまで親の築た竈の飯を食う者は意気地なしと云う。男女独立の真面目を写し得て、違わざるものなり。例えば農工商の奮発して海外万里に出るや、言語風俗も異様なる...

福翁百話 - 198 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
止する所なきに至るべし。是即ち哲学理論の要用なる所以なり。独立は吾れに在て存す (五十二) 独立とは先ず他人の厄介たるを免かれ、一切万事自分の身に引受けて自分の力に衣食し、親子の間にてもその分界を明に...

福翁百話 - 199 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...艶もなく、到底打解けて人に交ることは叶うまじと思わるゝようなれども、実際は決して然らず。抑も爰に云う独立とは、之を外面に装うて身の飾に用るものに非ず、唯深く心の底に蔵めて自から守るまでの主義にして、そ...

福翁百話 - 200 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に往来して曾て自由の交際を妨げず、唯真実の武士は自から武士として独り自から武士道を守るのみ。故に今の独立の士人もその独立の法を昔年の武士の如くにして大なる過なかるべし。熱心は深く蔵むべし (五十三) ...

福翁百話 - 226 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の衰運を見て窃に悦ぶ者こそ多ければ、仮令い智能に富む人にても、世間に交るに当り、事に害なくして自身の独立を妨げざる限りは、言行の鋭き鋒を包んで風采を優にし、知らざる事を知らずとして人に質問するは無論、...

福翁百話 - 231 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
二様に分れ、法官は政府の外に独立して、時の執政と雖も法律を左右するの権なしと云うも、大岡捌の講談に耳慣れたる人民にはその意を解する者なし。又経済論に、国の貨幣に政府の極印を印するは、唯金銀の性質と量目...

福翁百話 - 239 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
は必ず返済を求め、平時に貯蓄して万一に備え、又老余の覚悟して到底独立の謀を為さんとする者なれば、その言う所為す所自から精密厳格なるに反して、乙は所謂磊落書生、その身に取留めたる知見もなくして動もすれば...

福翁百話 - 240 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...も、今や則ち然らず、文明の士人は封建の主君に養われずして自から養う者なり、苟も自活の道を知らざる者は独立の男子に非ず。而して独立の国は独立の人に依て始めて維持すべきものなれば、今後国事拡張の時勢漸く急...

福翁百話 - 248 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ず、先ず以て中の種族なり。其れより尚お上りて、教育の結果又は天賦の才力を以て活溌に立働き、一身一家の独立既に成りて世間の累を為さゞる上に、尚お一歩を進めて、他人の相談相手と為り、又社会の利害を按じ、自...

福翁百話 - 250 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...之を知るべし。社会は良師なりと云う。即ち是等の事実なるべし。富者安心の点 (六十八) 人生孜々として独立の生計を営む、甚だ善し。既に一身一家の独立を成し、尚おその上にも勉強して貨殖に志し以て子孫の為め...

福翁百話 - 254 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
り勧る所に非ず、独立の生活を以て立身の大本とするは云うまでもなきことゝして、同時に文明学の門に入らしめ、有形無形共に真理原則の所在を示して、自然に高尚に導くの一法あるのみなれども、この学問教育の事は少...

福翁百話 - 274 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...富者必ずしも快楽多からず (七十五) 貧乏は甚だ宜しからず、家に財産なくして他人の厄介と為るは、第一独立の大義に戻るのみならず、朝夕の不自由は何とも名状すべからざる程の苦しみにして、之が為めには人物も...

福翁百話 - 345 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
れども、一方より見れば、他人の容易に企て及ばざる所の散財は取りも直さず大家の勢力にして、自から世間の耳目を惹くが故に、豪奢亦是れ名誉の為めにすと云うも不可なし。況んや身に政治の伎倆なく又思想もなき者が、辛苦経営して選挙を争い、尚お甚だしきは私金を捐てゝ窃に爵位の到来を待つが如きに於てをや、名誉の為めに身を焦す者と云わざるを得ず。故に我輩はこの名誉心を咎るに非ず、銭一方の人が利を空うして名の為めにせんとするは高尚なる人心の働にして、兎に角にその心の位する処は銭以上に在るものなれば、美ならざるに非ざれども、我輩の本願は尚お一歩を進め、天下の人をして全く銭を離れ、無銭の辺に安心の点を定めて自から名誉の大なるものあるを知らしめんと欲する者なり。即ちその安心点は人生の智識、徳義、才力、品行等の箇条にして、之を支配するに不覊独立の気概を以てするときは、発して処世の交際法

福翁百話 - 373 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...することも叶わず、この一段に至ては山陽先生も大に窮したることならんと我輩の推察する所なり。畢竟史家に独立自由の思想なく、天下国家の治安と人の身分家柄と両様を混雑して名実の軽重を誤り、是非得失論の標準を...

福翁百話 - 376 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
にして、始めて独立独行の君子と云うべきのみ。広き世間を見来れば徳行の士人少なからず、甚だ美なりと雖も、その士人が徳行を珍重するに過ぎて、果ては故らに人に示して聊か自負心を抱くこと、恰も世になき珍器を秘...

福翁百話 - 379 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...処するの法は、先ず一身の私を慎んで俯仰愧る所なく、その言を高尚にしその行を活溌にし、有形にも無形にも独立の根本を固くして思想の走る所を自由自在にし、扨人に交るには勉めてその人の自由を妨ぐることなく、勝...

福翁百話 - 385 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、前後左右を顧みずして独り得意を催おし、公然世間の咎めなしとて恰も唯我独尊を気取る者なきに非ず。苟も独立して他に依るの必要なければ独尊尚お恕すべしと雖も、その独尊子が動もすれば交際上に人を蔑視し人に無...

福翁百話 - 390 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
ものを非とするの外あらざれば、今の所謂文明国に行わるゝ一夫一妻の法は道徳の本義となりて、古今の徳論を変じたるものと云うべし。又事柄は小なれども、我日本国に於て明治の初年に火葬を禁ずるの議論喧しく、父母の遺体は土をして肌に近かしむるも不可なり、況んや之を焼くに於てをや、火葬は夷狄の一法、天理人道に戻るとて、漢学生などが頻に喋々して、一時は禁止したれども、爾後何分不都合なるよしにて、今は旧に復し、全国中に父母の肉体を火にして天理人道を蔑視する者、日に幾千百なるを知るべからず。忠君愛国の主義も世界交通の発達と共にその区域を広くし、在昔は君の御馬前に討死、君の死後に殉死を以て、無上の忠義として他事なかりしと雖も、今や外国の交際頻繁にして、治に商売を争い、乱に兵力を競い、治にも乱にも国の軽重は資力如何に関するが故に、苟も愛国と思わば、銘々に家業を勉めて先ず一家の独立を成し、

福翁百話 - 391 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
細々の独立相集まりて一国の富源と為るの経済法を忘るべからず。その私を営むは即ち公に報ずるの道にして、今昔の相違、忠君愛国の趣を変じたる所なれ共、左ればとて人間処世の要は財を積むに在りとして、畢生の心事...

福翁百話 - 400 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...らざる各その面の如くにして、善悪邪正、剛柔緩急を識別するに難しと雖も、人心果して人身の実質に関係して独立の心なく又独立の身なく、両者正しく形影の相映ずるが如しと云えば、物理学の進歩次第に人身体の内部に...


eBOOK : 「福澤全集緒言

福澤全集緒言 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...分まで支配し、日本とも条約を結び中々好き顔なり。一と通り考えた所では、欧羅巴諸大国の中に斯る弱き国の独立し居たらば、方々より附睨われて危うかるべしとこそ思わるれども、道理を守るものは外より動かしようも...

福澤全集緒言 - 51 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...主人と為りて彼の新事物の輸入取次を勤むるものゝ如くなれども、扨大節に臨んで洋学者が自から能くその身の独立を守り、曾て動揺することなきの事実は掩うべからず。蓋し治乱共に彼を知り我を知るの知識は正しく同一...

福澤全集緒言 - 54 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...以前の評判に異なり、軍律正しく兵士穏にして何等の乱暴もなかりしかども、当時、小幡仁三郎氏の一言は文明独立士人の亀鑑なりとて永く塾中に伝えて之を忘るゝ者なし。 以上概略の記事終りて、左に又余が著訳書を出...

福澤全集緒言 - 85 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...げて遠慮することなく穏に之を論ずべしとて、日本の人民、何れも皆この国を以て自家の思を為し、共に全国の独立を守らしめんとするの趣意なり。 巻の半に至て政府の変性を説き、政府若しその本分を忘れて暴政を行う...

福澤全集緒言 - 86 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...して道理を唱え、理の為めに身を失う者比々相続き、「マルチルドム」の功徳を以て、今の英国に行わるゝ自由独立の基を開きたりと」 巻末はこの「マルチルドム」の話なり。内乱の師と「マルチルドム」と比較して、そ...

福澤全集緒言 - 94 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...輩の疑を生ずる所以なり。余輩の眼を以て楠公を察するに、公をして若し今日に在らしめなば、必ず全日本国の独立を以て一身に担当し、全国の人民をして各その権義を達せしめ、一般の安全繁昌を致して全体の国力を養い...

福澤全集緒言 - 97 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...書家の如きは、愛国の義気、固より盛なる者とは雖も、その外国交際の難きを視ること氏が如く切ならず、国の独立を謀ること氏が如く深からず、時勢の沿革を察すること氏が如く詳ならず、事物の軽重を量ること氏が如く...

福澤全集緒言 - 98 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...し、民権を主張して国力の偏重を防ぎ、約束を固くして政府の実威を張り、全国の力を養て外国に抗し、以て我独立を保たんとするに在るのみ。都て事物を論ずるには、先ずその物の区別を立てざるべからず。共和政治なり...


eBOOK : 「福翁自傳

福翁自傳 - 354 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...人に話したことはないが今打明けて懺悔しましょう。維新前後、無茶苦茶の形勢を見て、迚もこの有様では国の独立は六かしい、他年一日外国人から如何なる侮辱を被るかも知れぬ、左ればとて今日全国中の東西南北何れを...

福翁自傳 - 355 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
一命に掛けても外国人の奴隷にはしたくない、或は耶蘇宗の坊主にして政事人事の外に独立させては如何、自力自食して他人の厄介にならず、その身は宗教の坊主と云えば自から辱しめを免かるゝこともあらんかと、自分に...

福翁自傳 - 364 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...を西洋文明の案内者にして、恰も東道の主人と為り、西洋流の一手販売、特別エゼントとで教育の方針は数理と独立も云うような役を勤めて、外国人に頼まれもせぬ事を遣て居たから、古風な頑固な日本人に嫌われたのも無...

福翁自傳 - 365 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...仁不義、不忠不孝ソンな浅ましい事は誰に頼まれても、何事に切迫しても出来ないと、一身を高尚至極にし所謂独立の点に安心するようにしたいものだと、先ず土台を定めて、一心不乱に唯この主義にのみ心を用いたと云う...

福翁自傳 - 366 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
なきものは、有形に於て数理学と、無形に於て独立心と、この二点である。彼の政治家が国事を料理するも、実業家が商売工業を働くも、国民が報国の念に富み、家族が団欒の情に濃なるも、その大本を尋れば自から由来す...

福翁自傳 - 367 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...塾の旧生徒が社会の実地に乗出して、その身分職業の如何に拘らず物の数理に迂闊ならず、気品高尚にして能く独立の趣意を全うする者ありと聞けば、是れが老余の一大楽事です。 右の通り私は唯漢学が不信仰で、漢学に...

福翁自傳 - 369 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...割出すと云う風潮の中に居て、その大切な霊妙不思議な漢学の大主義を頭から見下して敵にして居著書飜訳一切独立るから、私の身の為めには随分危ない事である。又維新前後は私が著書飜訳を勉めた時代で、その著訳書の...

福翁自傳 - 407 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...と云う。大道で小便とは今から考えれば随分乱暴であるが、乱世の時代には何でもない、こんな乱暴が却て塾の独立を保つ為めになりました。百姓に乗馬を強ゆ相手は壮士ばかりでない、唯の百姓町人に対しても色々試みた...

福翁自傳 - 412 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...蝠傘一本で如何に士族の仮色を使うても、之に恐るゝ者は全国一人もあるまい。是れぞ文明開化の賜でしょう。独立敢て新事例を開く私の考は塾に少年を集めて原書を読ませる計りが目的ではない。如何様にもしてこの鎖国...

福翁自傳 - 415 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...決定して居るから、随て世の中に怖いものがない。同志の後進生と相談して思う通りに事を行えば、塾中自から独立の気風を生じて世間の反りに合わぬことも多いのと、又一つには私が政治社会に出ることを好まずに在野の...

福翁自傳 - 443 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...。ソリャ以前奥平家に対して朝鮮人を気取たのは別な話にして、その外と云うのは決して金は貪らないと、自身独立、自力自活と覚悟を極めました。事変の当日、約束の金を渡すソコで以て慶応三年、即ち王政維新の前年の...

福翁自傳 - 452 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...云う理窟はない。親が自分に自から信じて心に決して居るその説を、子の為めに変じて進退すると云ては、所謂独立心の居処が分らなくなる。親子だと云ても、親は親、子は子だ。その子の為めに節を屈して子に奉公しなけ...

福翁自傳 - 467 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...妙策はなかろう。之を潰して果して日本の王政維新のように旨く参るか参らぬか、屹と請合は難けれども、一国独立の為めとあれば試みにも政府を倒すに会釈はあるまい、国の政府か、政府の国か、このくらいの事は支那人...

福翁自傳 - 482 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...使いたければ使う、嘗て人に相談しようとも思わなければ、人に喙を容れさせようとも思わぬ、貧富苦楽、共に独立独歩、ドンな事があっても、一寸でも困たなんて泣言を云わずに何時も悠々として居るから、凡俗世界では...

福翁自傳 - 485 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...がマア私の常に云う自力自活の姿とでも云うべきものか、是れが故人の伝を書くとか何とか云えば、何々氏夙に独立の大志あり、年何歳その学塾に在るや按摩法を学んで云々なんと、鹿爪らしく文字を並べるであろうが、私...

福翁自傳 - 520 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...れば、幕府に較べてお釣りの出る程の鎖国攘夷、固よりコンな連中に加勢しようと思いも寄らず、唯ジッと中立独立と説を極めて居ると、今度の新政府は開国に豹変した様子で立派な命令は出たけれども、開国の名義中、鎖...

福翁自傳 - 528 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...なって、意気地なしのように腰抜のように、思うまいと思ても思われて堪らない。全く私の癇癪でしょうが、是独立の手本を示さんとす れも自然に私の功名心を淡泊にさせた原因であろうと思われます。第四には、勤王佐...

福翁自傳 - 529 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、その有様は臭い物に蠅のたかるようだ。全国の人民、政府に依らねば身を立てる処のないように思うて、一身独立と云う考は少しもない。偶ま外国修業の書生などが帰て来て、僕は畢生独立の覚悟で政府仕官は思いも寄ら...

福翁自傳 - 530 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
るには、天下一人でもその真実の手本を見せたい、亦自からその方針に向う者もあるだろう、一国の独立は国民の独立心から湧て出てることだ、国中を挙げて古風の奴隷根性では迚も国が持てない、出来ることか出来ないこ...

福翁自傳 - 544 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
事が出来ない。ソコで今全国中に聊かながら独立の生計を成して多少の文思もありながら、その身は政治上にも商売上にも野心なくして恰も物外に超然たる者は、嗚呼がましくも自分の外に適当の人物が少なかろうと心の中...

福翁自傳 - 547 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
生きて居る身はいつ何時死ぬかも知れぬから、その死ぬ時に落付て静にしようと云うのは誰も考えて居ましょう。夫れと同様に、例えば私が自身自家の経済に就ては、何としても他人に対して不義理はせぬと心に決定して居るから、危い事を犯すことが出来ない。斯うすれば利益がある、爾うすれば金が出来るなど云ても、危険を犯して失敗したときには必ず狼狽することがあろう、後悔することがあろうと思て、手を出すことが出来ない。金を得て金を使うよりも、金がなければ使わずに居る。按摩按腹をしても餓えて死ぬ気遣いはない、粗衣粗食などに閉口する男でないと力身込んで居るような訳けで、私が経済上に不活溌なのは失敗の極端を恐れて鈍くして居るのですが、その外直接に一身の不義理にならぬ事に就ては必ずしも不活溌でない。トヾの詰り遣傷なっても自身独立の主義に妨げのない限りは颯々と遣ります。例えば慶應義塾を開

福翁自傳 - 551 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るにも、最初から棄身になって取て掛り、仮令い失敗しても苦しからずと、浮世の事を軽く視ると同時に一身の独立を重んじ、人間万事、停滞せぬようにと心の養生をして参れば、世を渡るに左までの困難もなく、安気に今...


eBOOK : 「女大學評論・新女大學

女大學評論・新女大學 - 32 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...、漸く養家の窮〔屈〕窟なるを厭うて離縁復籍を申出し、甚だしきは既婚の妻をも振棄てゝ実家に帰るか、又は独立して随意に第二の妻を娶り、意気揚々、顔色洒蛙々々として恥じざる者あり。不義理不人情、恩を知らざる...

女大學評論・新女大學 - 72 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...べき事をも弁えず、我夫我子の災と成るべきことをも知らず、科もなき人を怨怒り呪詛い、或は人を妬憎て我身独立んと思えど、人に憎れ疎れて皆我身の仇と成ことをしらず、最はかなく浅猿し。子を育れども愛に溺れ、な...

女大學評論・新女大學 - 107 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
続男子に嫁を貰うか、又は娘に相続の養子する場合にも、新旧両夫婦は一家に同居せずして、その一組は近隣なり又は屋敷中の別戸なり、又或は家計の許さゞることあらば同一の家屋中にても一切の世帯を別々にして、詰る所は新旧両夫婦相触るゝの点を少なくすること至極の肝要なり。新婦の為めに老夫婦は骨肉の父母に非ざる尚おその上に、年齢も異なり、衣服飲食百般の事に就て思想好嗜の同じからざるは当然の事にして、その異なる所のものをして相互に触れしむるときは、自然の約束に従て相衝かざるを得ず。都て是れ双方の感情を害する媒介たるに反し、遠く相離れて相互に見るが如く見ざるが如くして、相互に他の内事秘密に立入らざれば、新旧恰も独立して自から家計経営の自由を得るのみならず、その遠ざかるこそ相引くの道にして、遠目に見れ

女大學評論・新女大學 - 121 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
お多し。詠歌には巧なれども自身独立の一義に就ては夢想したることもなく、数十百部の小説本を読みながら一冊の生理書をも見たることもなき女史こそ多けれ。況して小説戯作は往々人の情を刺すこと劇しくして、血気の...


eBOOK : 「福翁百餘話

福翁百餘話 - 13 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
福翁百余話福澤諭吉人生の独立 (一) とは、文字に書けばこそ六ケしきようなれども、左まで深き意味あるに非ず、唯他人の厄介にならぬことなり。生れて父母の養育を被るは人間普通の約束にして、父母これを徳とせ...

福翁百餘話 - 14 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
衣食住有形の需用を自力に弁ずるを身体の独立と云い、社会の交際、処世法に、我思う所を云い、思う所を行い、満腔豁然洗うが如くにして秋毫の微も節を屈することなきを、心事無形の独立と云う。斯く二様を全うして始...

福翁百餘話 - 15 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...交際社会に他と共に醜体を共にし、自から知りつゝ自から本心に背く者さえなきに非ず。斯の如きは即ち有形の独立を得んが為め早く既に無形の独立を忘れたる者にして、畢生一個の賤丈夫たるを免かれず。酷に之を評すれ...

福翁百餘話 - 20 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
会は伊藤東厓先生を以て自から満足すべき時節に非ざるなり。独立は独り財産のみに依るべからず (三) 一身の独立を成さんとするには自力自活苟も他人に依頼すべからず。即ち財産の貴き所以にして、今更ら喋々論弁...

福翁百餘話 - 21 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ゝが故に全快すべき者も斃るゝなり。主人は家に巨万の財産を積むと雖も、その無智なるが故に大事に当り心の独立を成さずして徒に苦痛する者と云うべし。又家族団欒、父母の品行正しく言語挙動優しくして、冥々の間に...

福翁百餘話 - 23 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に等しく、自から自身の既往を顧みて多年の辛苦漫に富貴を求めたるの愚を後悔するに至るべし。左れば人世の独立に資産は固より必要にして欠くべからずと雖も、肉体の外に心の独立を成さんとするには、銭の外に大に重...

福翁百餘話 - 24 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
の注意怠るべからざるものなり。金と自身と孰れか大事 (四) 諺に先だつものは金なりと云う。如何にもその通りに相違なく、商売工業に資本金の必要は申すに及ばず、居家処世出るにも入るにも金なくては何事も叶わず、人間万事金の世の中と云うも可なり。即ち万事に先だつものなれども、一寸思を転じて考れば、この金に比較して百倍も千倍も重きものあるを発明すべし。その重きものとは何ぞや。身体の健康即是れなり。人身健康ならずしては仮令い死に至らざるも常に不自由不愉快にして自から楽しむを得ず、美食口に旨からず、軽煖身に可ならず、巨万の富も之を積み得て心身の快楽を買うに由なし。況んや巨万の富なき者に於てをや。辛苦経営は独立の生計を得んが為めなれども、病身もの

福翁百餘話 - 26 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...るべし。殊に笑うべきは彼の実業家など称する輩が、様々の事に周旋奔走するその目的を聞けば、財産を作りて独立の生活を立つる積りなりと云う。至極よき心掛けなれども、その周旋奔走とは多くは例の交際社会に不養生...

福翁百餘話 - 27 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...も、又その中には取返しの道もあるべしなどゝて、恰も自分の言行を自から大目に看過して節を屈するが如き、独立の志を抱て独立の根気なきものと云うべし。在昔或る九州藩の士族に茶の湯を好む者あり、生涯の楽しみは...

福翁百餘話 - 30 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...に入り、辛苦学成りて将さに人事に当らんとするその時には、自から自身を重んずること甚だしく、居家処世唯独立の一主義あるのみとて、その言行の頗る高尚なりしにも拘わらず、扨この独立男児がいよ〱出身して官途に...

福翁百餘話 - 31 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
立心は敢て消滅したるに非ざれども、是れ式の事は必ずしも一身の独立を累すに足らず、此れも枉げて勘弁せよ、其れも目を瞑して断行せよと、身躬から自身を強い自身を欺き、甚だしきは尺を枉げて尋を直うするなどの口...

福翁百餘話 - 32 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
雖も之を玩味すれば自から味あるべし。独立者の用心 (六) 一身一家の独立とは西洋文明の風に従えば誠に珍らしからぬ事にして、尋常普通人間の勤むべき勤なれども、扨新開国たる日本に於ては何か耳新らしく聞えて...

福翁百餘話 - 33 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
人生独立の第一要は自力自活苟も他人の厄介たるを許さず、一切万事自分の責任を以て生活するが故に、私有財産を守ること固きのみならず、自家の私有を重んずると同時に他の私有をも犯さず、例えば金の必要あればとて...

福翁百餘話 - 34 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
独立者の言行は多くは主観より生じて客観に誘わるゝこと少なく、即ち言行の自由なるものなるが故に、自分には他人を傷くるの意なきにも拘わらず、動もすれば偶然にその人の弱点を犯すことあり、自からその感情を害...

福翁百餘話 - 35 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...申すとて平身低頭すること毎度例の如し。要するにこの男は外面こそ君子なれ、裡面は鄙醜の穴だらけにして、独立を去ること遠き者なり。扨この東西両隣の人を並べて俗世界の交際に孰れか通用宜しと尋れば、武骨なるよ...

福翁百餘話 - 36 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
その醜いよ〱醜にして交りはいよ〱堅し。独立士人が八方に忌まれ憚かられて独り自から超然たらんとするは易き業に非ざるを知るべし。 左れば世の学者士君子にして独立以て身を終らんと決定したる者は、自からその身...

福翁百餘話 - 37 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
を嫌い憎んで、却て自身の交際を狭くし、却て人に忌まれ憎まれて不平に終るが如きは、独立の君子に非ずしてその実は小人の偏屈なる者にこそあれ。独立の大主義は学者安心の至宝なり。宝物は大切にして深く秘蔵すべし...

福翁百餘話 - 40 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...参の親友なり。共に語り共に笑い、共に勤め共に遊び、苦楽貧富を共にして文明の天地に悠々たるべし。智徳の独立 (八) 独立は単に肉体のみに非ずして精神の独立こそ更らに大切なれ。衣食足りて独立成ると云うが如...

福翁百餘話 - 41 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...行の指南なれば、智徳の師は近く我身に在て存す。是即ち我輩の主義とし守る所のものにして、要は唯自尊自重独立して人間の本分を尽すの一点に在るのみ。仁義忠孝の道美ならざるに非ずと雖も、特に之を徳義として特に...

福翁百餘話 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て繁多にして人生亦甚だ長し。生涯無限の物に接し無限の事に当りて誤ることなからしむるものは、唯自尊自重独立の本心あるのみ。之を喩えば耳に諸の音を聞き目に諸の色を見て、心に之を感じて随て之に応ずるの働を生...

福翁百餘話 - 43 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
する独立の心なるが故に、身躬から自身の高尚霊妙なるを会心して上々進歩するときは、人間万事に就て拙劣鄙陋ならんと欲するも得べからず、彼の仁義忠孝の如き固より人事中の条項なれども、特に之を勉めずして自分の...

福翁百餘話 - 45 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
内の根本をば等閑にして専ら外面にのみ力を用いたるの嫌はなきや。仮令い或は絶倫の大人が根本的自尊独立の主義を仄に洩らしたることあるも、後世の学者輩は多くはその真意を解すること能わずして、世教に伝わる所に...

福翁百餘話 - 46 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...ともあらんか、君位の動揺は取りも直さず民心の動揺にして、一国変乱の不幸なり。斯る不幸の時勢に際して、独立の士は一身の小利害を言わずして必ず平和の方針に向い、時としては生命財産を犠牲にしてもこの方針を守...

福翁百餘話 - 48 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...は何ぞや。忠義と名くる局部の教を聞き、自から自身を忘れて他を仰ぎ他を信じ、一切の判断を他に任じて自身独立の思案なきが故なり。古来幾多の戦争内乱にその名義は様々なれども、敵味方の双方に就て見れば双方共に...

福翁百餘話 - 49 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
平均して真に独立する者とては甚だ少なく、随て之を教うるの法も亦局部を専にして、徳心発起の大本を説くべからず。忠と云い、孝と云い、恰も徳教の切売して之を導くこそ是非なき次第なれども、文明の目的は人間社会...

福翁百餘話 - 52 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
活動はその発源を生力に託す、生力盛ならざれば機関も亦衰弱すべし。本心の独立するものあるに非ざれば仁義忠孝も甚だ危し。学者の深く注意すべき所のものなり。 以上の立言は決して忠孝を軽視するに非ず、之を重ず...

福翁百餘話 - 53 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
あり、父母の喪に走て家に帰りて三年の喪に服し、その三年の喪中に三人の妻妾が三子を産むが如きは珍らしからぬ話にして、世間に怪しむ者もなしと云う、唯驚くのみ。俗諺に言葉多きは品少なしとはこの事ならん。左れば我輩は固より孝行を重んずるものなれども、之を論ずるにも之を行うにも、都て儀式的の形容を離れて人間本来の本心に訴え、父母に事えて華々しく辺幅を装うが如きは之を取らず、至親に接して至情の発するは自然のことなり、又当然のことなれば、父母に孝なればとて自から誇るに足らざるは無論、傍より誉るにも足らず。その誉るに足らざるは人に耳目あるを見て驚くに足らざるが如し。孝行は驚くに足らず、驚くべきは唯不孝のみ。而してその至情の発する泉源は万物中の至尊又至霊たる人の精神に在て存す。故に我輩は単に外面の孝行のみを多言せずしてその泉源に重きを置き、泉源いよ〱深くいよ〱独立して、孝心

福翁百餘話 - 62 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...は、劇務に忙しくするその忙中、尚お書を読み理を講じて世の為めにするの常なり。在昔米国のフランクリンは独立前後の騒乱中に理学上の発明して学術社会を益し、今の英国のグラツドストーンは八十歳の身を以て政論に...

福翁百餘話 - 101 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...の想像画に反対して、世の中に貧者もあり富者もありて、その苦楽の区別は明白なれども、貧苦と富楽と各別に独立して、一人の身を以て親しく之を閲するを得ず、貧者は貧家に生れて貧に死し富者は富家に生れて富に死す...

福翁百餘話 - 105 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
大節に臨んでは親子夫婦も会釈に及ばず (十九) 我心に思う所を実行して苟も節を屈することなし、之を独立と云う。独立果して大切なりとすれば、この一義の為めには都て他を顧ることなく、天地間に尊き者は自分一...

福翁百餘話 - 109 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...多くして、その局に当りて進退に迷う人もあるべし。その決断は固より他人に相談すべき事柄に非ず、唯一身の独立と深く自から信じ、自分の一身外には尊ぶべき者もなし、愛すべき者もなし、仏語に云う天上天下唯我独尊...


eBOOK : 「明治十年丁丑公論・瘠我慢之説

明治十年丁丑公論・瘠我慢之説 - 42 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
の進退爰に窮りて為す所を知らず、唯畢生の力を尽して維持の策を運らしたるのみ。即ちその初に佐賀の江藤を援けず、後に萩、熊本の暴発に与せず、常に衆に諭して今は時節に非ず、爰は場所に非ず、我将さに我将さにとて之を籠絡したる由縁にして、その兵士の処置に困却するの心は政府の顕官が之を憂るの心に異ならず。この点に就て見れば西郷は少年の巨魁と為りて得々たる者に非ず、その実は之に窘められたる者と云うべきなり。嗚呼西郷をして少しく学問の思想を抱かしめ、社会進歩の大勢を解してその力を地方の一偏に用い、政権をば明に政府に帰してその行政に便利を与え、特り地方の治権を取て之を地方の人民に分与し、深く腕力を蔵めて引て放たず、剣戟の鋒を変じて議論の鋒と為し、文を修め智を磨き、工を勤め業を励まし、隠然たる独立の勢力を養生して他の魁を為し、而る後に彼民選議院をも設け立憲政体をも作り、以て全日本国の

明治十年丁丑公論・瘠我慢之説 - 63 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...如き小国が、仏独の間に介在して小政府を維持するよりも、大国に合併するこそ安楽なるべけれども、尚おその独立を張て動かざるは小国の瘠我慢にして、我慢能く国の栄誉を保つものと云うべし。我封建の時代、百万石の...

明治十年丁丑公論・瘠我慢之説 - 65 ページ : < eBOOK > / < テキスト >
...て士気を養うたるもこの主義に由り、封建既に廃して一統の大日本帝国と為り、更に眼界を広くして文明世界に独立の体面を張らんとするもこの主義に由らざるべからず。故に人間社会の事物今日の風にてあらん限りは、外...