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デジタルで読む福澤諭吉




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タイトル 男女交際論
別タイトル On association of men and women
著者 福澤, 諭吉 (Author)
中上川, 彦次郎 (Transcriber)
出版地 東京
出版者 石川半次郎
出版年 1886 (明治19)
識別番号 福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A44
請求記号: 福 44-1 著作

[解説]

「日本婦人論」「品行論」の論緒を発展させたもので、日本古来の風習において、交際はひとり男子の専らにするばかりで、婦人の間に交際の見るべきものなく、男女間の交際に至っては或いはこれを禁ずるかの如き風のあるのを批判し、今後の文明社会においては男女間対等の交際を盛んにすべきであるとの趣旨を述べたもの。
 明治十九年五月二十六日から六月三日まで八回にわたり時事新報社説として発表され、同月単行本として出版した。前記「品行論」と同じ体裁で、序文二頁、本文四十九頁、奥附一頁。表紙は「福沢諭吉立案/中上川彦次郎筆記/男女交際論完/ 明治十九年六月出版」の文字を飾り枠で囲んだ意匠で、奥附には「明治十九年五月廿八日出版御届/同年六月出版/定価金十四銭」となり、以下は「士人処世論」「品行論」と同様である。
 明治初期の福沢の著書には偽版がすこぶる多かったが、明治十五年時事新報刊行以後には殆んど偽版の例を見ることがなくなった。然るにこの「男女交際論」には、題名が時好に投じたためか、明治十九年九月に大阪で偽版が作られた。この「男女交際論」と後に時事新報社説として発表された「男女交際余論」とを併せて一冊に収め、四六判洋紙活版刷り、扉一頁、口絵二頁、序文一頁、本文七十七頁、挿絵入りのもので、表紙には男女四人が洋式の椅子に掛け卓子を囲み、卓上には花を活けた花瓶を洋書らしい二三冊の書物を置いて語り合っている石版画を印刷し、口絵は木版であるが、洋風の広間に多数の男女が椅子に掛け卓子を囲んで、それぞれ会談している様子が描かれている。挿絵は何か有合せの木版画の版木を利用したものと覚しく、一つは烏帽狩衣姿の三人の男子と御殿女中風の一人の婦人が遊山でもしているらしい絵で、他の一つは明治風俗の三人の婦人が神社の茶店らしいところに腰掛けて話している絵で、いずれも本文とは何の関連もない図柄である。「福沢諭吉先生立案/中上川彦次郎先生筆記/ 男女交際論/附男女交際輿論」と題している。「輿論」はもちろん「余論」の誤記である。
 さらに明治三十一年九月に、もう一つ東京の干城社というところから偽版が出た。これは「福沢諭吉先生立案/中上川彦二郎先生筆記/男女交際論完/附男女交際花と月(松の家みどり著)」と題する四六判洋紙活版刷り二百四十頁のもので、最初に「男女交際論」と題して実は「男女交際余論」を総振り仮名つきで収めている。
 この振り仮名が「男女文際」(をとこおんなまじはり) 「過日来」(すぐるひごろ)などのように甚だ低俗なものになっている。次に「男女交際論」の本論を同じく「男女交際論」の題で収め、これには高橋恭二郎俗解と称して、本文のところどころに割註を入れて、これ亦はなはだ卑俗な註解を加えている。附録の「男女交際花と月」というのは有りふれた通俗小説で出版者の意図は、福沢の「男女交際論」の名を利用してその実はこの小説を売ることにあったもののようである。


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