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デジタルで読む福澤諭吉
各巻の解説



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タイトル 啓蒙手習の文. 上
別タイトル Book of reading and penmanrship for children
啓蒙手習の文
著者 福澤, 諭吉 (Editor)
内田, 晋斎 (Scribe)
出版地 東京
出版者 慶應義塾蔵版
出版年 1871 (明治4)
識別番号 福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A14-01
請求記号: 福 14-3 著作

[解説]

童蒙のための習字手本として、平仮名、片仮名、数字、十干、十二支、国名づくしなどを始めとして、初学のため簡単な文章などを大きな文字で記したもの。
 木版半紙判二冊本。二二・四× 一五㎝。表紙は一定せず、われわれの知っている限りでは三種類ある。一は網目地紋の濃藍色、二は茶と藍との横縞模様、三は黒白斜め縞に「慶応義塾蔵版」の六字を散らし書きに白字で出したものに銀粉刷きつけのものである。いづれも左肩に、子持罫の枠の中に「啓蒙手習の文 上(下)」と記した題箋が貼ってある。
 見返しは黄色和紙、巻紙を立てた図の右側に毛筆を描き、下部に硯と墨の図を配している。筆の軸に「明治四年辛未初夏」と記し、巻紙の面に「慶応義塾出版/啓蒙手習の文/福沢諭吉編」と三行に記し、左側に「慶応義塾蔵版之印」の長方形朱印を押捺し、墨の面に「尚古堂発兌」の文字がある。
 序文二丁、文末に「明治四年辛未三月」とある。目録一丁。本文は第四丁から第五十四丁まで、下巻は三十五丁、奥附はない。
 明治五年六月に再版が出た。大きさ、表紙、そのほかの体裁はすべて初版に同じであるが、黒白縞模様の表紙は、初版では斜めに使ってあるが、再版では堅縞に用いてある。題箋には「増補」の二字が角書きに加えられているだけで、初版と同様の体裁である。
 見返しも大体初版と同様の体裁であるが、筆の軸の刊行年月が「明治六年五月」と改められ、「慶応義塾版」の文字が「再版増補訂正」と改まり、墨の面の「尚古堂堂発兌」が「福沢諭吉版」と訂正されている。蔵版印は初版と同じものと、これを「福沢氏蔵版印」と改めたものと、二種類ある。
 序文は、初版では「啓蒙手習之文序」とあるのを、再版では「旧版序」と改め字詰めを変え、版心に「旧版序」の三字を加えている。その次に「増補啓蒙手習の文序」が一丁加わり、それに「明治六年五月七夜」の日附がある。丁附は旧版序だけを別丁とし、増補序が第一丁、目録が第二丁、本文は第三丁から五十六までで上巻は終る。北海道十二国名に初版では振仮名がついていたが、再版ではこれを削っている。
 上下両巻とも訂正を加えたのは、改暦のため月日と時の数え方を改め、地球面積の海陸の比率を改めるなどの程度であった。
 この書には「啓蒙手習の文 全」と題する一冊本の偽版がある。「啓蒙手習の文」の下巻をそのまま複刻したもので、茶色波形模様の粗末な表紙がついている。「啓蒙天地文」と題する偽版も出たらしいが、これは未見である。


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