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各巻の解説



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タイトル 童蒙をしへ草. 初編. 一
別タイトル Junior book of ethics with many tales from western lands
童蒙教草
著者 福澤, 諭吉 (Translator)
出版地 東京
出版者 尚古堂
出版年 1872 (明治5)
識別番号 福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A16-1
請求記号: 福 16-1 著作

[解説]

童蒙のために西洋の修身道徳の例話を集めて著述したもので、これ亦、当時の小学校の教科書などに広く使用せられた。
 初編三冊、二編二冊、合せて五冊から成る木版半紙判(二二・一× 一五・一cm)の和本で、表紙は黒白縞模様に「慶応義塾蔵版」の六字を散らし書きに陰刻し全面に銀粉を刷きつけた用紙を使っている。版によってこの縞模様を斜めにしたものと、横に使ったものと、二種類ある。左肩に題箋が貼ってある。題箋には、子持罫の枠の中に「童蒙をしへ草 初編 一(二、三、二編四、五)」と記してある。
 見返しは黄色和紙、簡単な双柱飾罫の枠の中を縦三ツ割とし「福沢諭吉訳/童蒙をしへ草初編/明治五年壬申季夏 尚古堂発兌」と記し、右下に「慶応義塾蔵版之印」と陽刻した長方形朱印を押捺してある。二編の見返しは初編と同じ体裁で、「初編」を「二編」と改め、「季夏」を「季秋」と改めているだけの相違である。これによってこの書は明治五年の夏から秋にかけて、二回にわけて刊行されたことがわかるが、福沢家に保存されてあった本書の草稿を見ると、序文の末尾に「明治四年辛未四月」と記されてあり、刊本ではこれを「明治五年壬申三月」と改めてある。これによって見れば、この書は「学問のすすめ」初編よりも先に稿を成し、初編の刊行後に版に附されたものと思われる。
 初編巻の一は序文三丁、目録七丁半、凡例一丁半。本文四十九丁。巻の二は本文四十六丁。巻の三は本文四十八丁。
 二編巻の四は本文五十丁。巻の五は本文二十五丁。初編二編いづれにも奥附はない。
 以上が初版本の体裁であるが、これを合綴して三冊に仕立てた異装本がある。題箋は初編の一、二、三をそのまま使い、見返しも初編のものを使ってあるが、第一冊は初編の巻の一だけ、第二冊は初編巻の二と三、第三冊は二編の巻の四と五とを合綴したものである。
 明治十三年に再版が出た。大きさは初版本とほぼ同じで、木版本、初編三冊、二編二冊で、表紙は網目模様の地紋の濃藍色、左上に題箋を貼る。題箋には子持罫の中に「福沢諭吉訳/童蒙教草初編 一(二、三、二編四、五)」と記してある。
 見返しは黄色の和紙、子持罫の枠の中を縦三ツ割とし「福沢諭吉訳/ 童蒙教草初編/明治十三年三月再版 福沢氏蔵版」と記し、左下隅に「福沢氏蔵版印」と陽刻した長方形朱印を捺してある。二編の見返しも「初編」の二字を「二編」と改めてあるだけで、すべて初編と同じ体裁である。
 明治五年の初版本は序文だけが漢字片仮名交りで、目録以下本文ともすべて漢字平仮名交りに総振仮名つきであるが、この再版本は一切振仮名を廃し全編を漢字片仮名交り文に改めた。版面の匡郭は初版よりも再版の方が大きくなっているが、字配りは初版と全く同じである。ただ振仮名を全廃したために、初版において特殊な読ませ方をした熟字の読み方が明瞭を欠くに至った欠点がある。


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