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デジタルで読む福澤諭吉
各巻の解説



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タイトル 文明論之概略. 巻之一
別タイトル Outline of civilization
著者 福澤, 諭吉 (Author)
出版地 東京
出版者 [福澤諭吉]著者蔵版
出版年 1875 (明治8)
識別番号 福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A23-01
請求記号: 福 23-1 著作

[解説]

福沢の著書中、最も学問的体裁の整った著書で、西洋文明の大要を記して、この文明に向って進むことが日本の独立を全うする所以を説いたものである。
 明治八年の初刊本は、二二・八× 一五・八cmの半紙判青表紙六冊で、表紙の左肩に、子持罫で囲った中に「福沢諭吉著 文明論之概略 巻之一」(巻之二以下も同様の体裁)と記した題箋を貼り、見返しは黄和紙を用い、太い双柱罫で囲った中に「福沢諭吉著/文明論之概略全六冊/ 明治八年四月十九日許可著者蔵版」の文字を三行に記し、左下隅に「福沢氏蔵版印」の朱印が押してある。本文は肉太の大きな彫り方で、原文は漢字片仮名交りである。
 明治七、八年の頃に至りては世態漸く定まりて人の思案も漸く熟する時なれば、此時 に当り西洋文明の概略を記して世人に示し、就中儒教流の故老に訴えて其賛成を得る こともあらんには最妙なりと思い、之を敵にせずして今は却て之を利用し之を味方に せんとの腹案を以て著したるは文明論之概略六巻なり。
 読者は何れ五十歳以上、視力も漸く衰へ且つ其少年時代より粗大なる版本に慣れたる 眼なればとて、文明論の版本は特に文字を大にして古本の太平記同様の体裁に印刷せ しめたり。(「福沢全集緒言」)
 以て福沢の周到なる用意を知るべきである。この書には奥附も刊記もないので、表紙の見返しで明治八年四月十九日に出版の許可を得たことは知れるが、実際に製本が出来て発売されたのは何日のことであるか明かでない。「福沢全集緒言」には非常な発売部数で、「何万部の大数に達したり」と記してあるが、木版本はすべて初刊のまま少しも体裁を変えずに版木を新にしたもののようである。版によっては第六巻の最後の頁に「明治九年二月二日版権免許、東京第二大区九小区三田弐町目拾三番地福沢諭吉」の文字を朱印で押したものと、木版で印刷したものと、全く何も記してないものとがある。
 明治十年版の活字本は四六判、本文四百十四頁、誤植訂正表二頁、黒クロース背皮装で、背に「文明論之概略」「福沢諭吉著」の金文字が入っている。扉
 はオーナメント枠の中を三行に割って「福沢諭吉著/文明論之概略全/ 明治八年四月十九日許可」と記し、「福沢氏蔵版之印」の朱印を右下に、「定価金弐円」の朱印を左下に押捺してある。奥付には「明治九年二月二日版権免許、同十年九月廿八日製本換御届、著者兼出版人、東京第弐大区九小区三田弐町目拾三番地福沢諭吉、売捌所、東京芝三島町和泉屋市兵衛、同日本橋通三丁目丸屋善七」とある。木版本は肉太の大きな文字に彫ってあったが、この活字本は当時の新聞などに普通に使われた五号活字で印刷してある。この活字本も更に何回版を重ねたかは明らかでない。


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