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インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
012 ヨハネス・ヴィヴェトゥス 『正書法論考』 (パリ、アントワーヌ・ドニデル印行、[1498年頃]或いは [1500年頃])
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A2r A2r B6r B6r
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Author : Vivetus, Johannes, O.C.
Title : Tractatus de orthographia. Ed: Johannes Carthusiensis
Language : lat
Format : 4º
Place of Publication : Paris
Printer : Antoine Denidel
Date of Publication : [c. 1498]; [c. 1500]
Binding : Recent calf-backed boards.
Bibliographical Notes : 12 leaves; large printer's device on the first page; space for capital with guide-letter introducing the text.
Provenance :
ISTC : iv00311000
Reference : Goff V311, C 6272, IJL 295, IJL2 380, PP 74
Shelfmark : 120X@638@1
Acquisition Year : 1984

 ヨハネス・ヴィヴェトゥスなる人物(生没年不明)によって編纂された本書は、中世の正書法について記した一冊である。12葉から成るクォート版の冊子で、冒頭には、正書法では母音と子音の変化、そして派生語について理解することが重要であると述べられている。ラテン語に関する記述が主だが、ギリシャ語、ヘブライ語、さらには俗語についても触れられている。本書のフォリオA2rに、'Johanis Vivet carthusiēsis...'、最終葉(フォリオ12v)には、'Tractatus de orthographia editus a magistro Johāne carthusiensi vivet...'と、ヴィヴェトゥスがカルトゥジオ会修道士であったことが記されている。
 ヨハネの福音書の冒頭に「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」(新共同訳)とある通り、キリスト教において、言葉は極めて重要な位置を占めている。神の言葉である聖書を正しく理解する必要から、文法学は聖書解釈に不可欠な学問であるとされた。さらに、聖書の一語一句を分析することで、文字そのものに対する執着も生まれた。本書を編纂したのが修道会に属する人物だったというのは、このような背景を反映しているのかもしれない。また、カルトゥジオ修道会では、写本が盛んに制作されていたことから、語句の正しい綴り方に対する関心も高かったに違いない。
 本書の出版を手がけたアントワーヌ・ドニデルは、パリを拠点に活動した印刷業者である。ドニデルの名が記された印刷本は70作近くが知られている。そのうち出版年が記されているものは全部で12作あるが、それらは全て、1495年から1500年の間に上梓されている。本書のタイトルページに刷られた木版画には、AとDの間に結び目のある紐が配されたドニデルの紋章を、聖ニコラスと聖カテリナが両側から支えており、その頭上には、ブルボン家の百合の紋章を手にしている天使の姿が描かれている。版の下部には、M ANTHOINE DENIDELと、印刷者の名前が入れられている。本文で使用されているゴシック体は、ドニデルが使用していたタイプ75Gであると思われる。フォリオ2の冒頭に、手書きで大文字を挿入するためのスペースが空けられ、ガイドレターの't'が小さく印刷されている。慶應本では、フォリオ6の余白外側に破れた箇所を補修している痕が見られる。また、子牛革を張った表紙は、近年のものである。
 
 【参考文献】
 BMC, VIII
 
 (MI)

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