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インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
021 ジョヴァンニ・マルケージニ 『聖書注解』 (ヴェネツィア、ヨハネス・ルベウス印行、1498年6月18日)
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Author : Marchesinus, Johannes
Title : Mammotrectus super Bibliam
Language : lat
Format : 8º
Place of Publication : Venice
Printer : [Johannes Rubeus, Vercellensis]
Date of Publication : 1498-06-18
Binding : Contemporary blind-stamped calf over boards, latterly rebacking in vellum, spines missing.
Bibliographical Notes : 103 leaves (of 104), wanting the final leaf; initial capitals supplied in blue and red, with guide letters.
Provenance : Ownership inscription (title page).
ISTC : im00254000
Reference : Goff M254, HC 10574*, BMC V 596, IJL 214, IJL2 267, PP 103
Shelfmark : 120X@677@1
Acquisition Year : 1987 (donated by Shinsuke Ando)

 本書は15世紀イタリアの人文主義者ジョヴァンニ・マルケージニの著作である。題名に『聖書注解』と付されているため、しばしば聖書辞典と解されてきたが、実際は本書の前半部は旧約聖書に語源と文法説明を加えた注釈書であり、後半部は教会歴に沿った説教、賛美歌、祈り、そしてヤコブス・デ・ヴォラギネ(1228/30-98)の『黄金伝説』の抜粋からなる。持ち運びに便利な小型の八折本という特徴も考慮すると、本書は聖書辞典よりもむしろ聖職者が日常持ち運び、説教の種本に使っていたハンドブックと考えられる。15世紀でも非常に良く利用され、初版は1470年にマインツでペーター・シェファー(1425?-1502)によって印行された。1476年にヴェネツィアで初版が印刷され、15世紀にヴェネツィアだけでも9版印刷された。
 本書を印刷したヴェルチェリ出身のジョン・ルーベは、ヴェネツィアの古文書によると1477年には印刷業の見習いとなっていたようである。後に彼はストラボン(c. 64 BCE -c. 23 CE)の『地誌』を皮切りにトレヴィーゾで1480年から出版活動を始め、主に人文主義の著作を出版していた。1482年にはヴェネツィアに活動拠点を移し、ヴェローナのグアリーノ(1370/4-1460)の『文法書』などを印刷した。1486年頃からマルケージニは兄弟のアルベルト、ベルナルド、そして他の印刷業者と共同作業を始め、木版画入りのイタリア語とラテン語の著作を印刷していた。
 慶應本は大文字が赤と青インクで書かれ、タイトルページに前所有者のサインがある。特に他には書き込みなどはないが、刊行時の状態をよく保っている。本書が15世紀に非常に良く利用されていたハンドブックであったことを考慮するならば、刊行時の状態をとどめる慶應本は当時の聖職者の生活を窺い知るための貴重な資料である。
 
 (KT)

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