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インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
024 レギオモンタヌス 『方向・距離表』 (アウクスブルク、エアハルト・ラトドルト印行、1490年1月2日)
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s6r s6r [2a1r] [2a1r]
[2b8r] [2b8r] upper cover upper cover
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Author : Regiomontanus, Johannes (Müller, Johann, of Königsberg)
Title : Tabulae directionum et profectionum. Tabella sinus recti (Ed: Joannes Angelus)
Language : lat
Format : 4º
Place of Publication : Augsburg
Printer : Erhard Ratdolt
Date of Publication : 1490-01-02
Binding : 18th-century vellum over paper boards.
Bibliographical Notes : 156 leaves; some woodcut initials; some contemporary marginalia; a printer's device printed in black and red on s6r.
Provenance :
ISTC : ir00112000
Reference : Goff R112, HC13801* (incl H 15206*), BMC II 383, IJL 256, IJL2 323, PP41
Shelfmark : 120X@753@1
Acquisition Year : 1988

 レギオモンタヌス(1436-76)は、ドイツ・ケーニヒスベルクに生まれた天文学者・数学者である。本名はヨハネス・ミューラーであるが、生地のラテン名からとってヨハネス・デ・モンテレギオ、やがてレギオモンタヌスと称した。ウィーン大学でゲオルク・フォン・ポイエルバッハ(1423-69)から天文学を学び、プトレマイオスの正確なラテン語訳を行うなどして、誤りに満ちた当時のヨーロッパの天文学を改革した。三角法を本格的な学問として扱った最初の人物でもある。1471年ニュルンベルクに移ると、後援者を得てドイツ最初の天文台を設置して観測を行い、また後援者の家に作った印刷所において32年間分の毎日の天体の位置を記した『天体暦』(1474年)の出版などを行った(IKUL 035を参照)。なお、コロンブスもこの『天体暦』を使用し、ジャマイカで月蝕を予言したといわれる。レギオモンタヌスは教皇に改暦の助言者としてローマへ招聘されたが、仕事を開始する前の1476年に、おそらくはペストによって死亡した。
 本書は黄道十二宮の計算表、経度ごとの太陽までの角距離表を扱い、また、西欧で初めてタンジェントの表を掲載している。ヨハネス・アンゲルスが編集し、レギオモンタヌスの死後に印刷されたものである。1626年までに11版を重ねた。
 印刷業者ラトドルト(1527か1528年没)はヴェネツィアで印刷術を学び、1486年からは生地アウグスブルクで印刷業を営んだ。ラトドルトは装飾印刷の先駆者であり、共同経営者らと1476年に印刷した暦のタイトルページにはヨーロッパ初の装飾枠を用いているが、本書のタイトルページは文字だけのシンプルなものである。本文はヴェネツィアで使われていたのと同様のゴシック活字によって40行で印刷されている。四折本で、大部分の丁は8葉から成り、各丁の前半4葉には'a2'のようにアルファベットとアラビア数字の折記号がついている。捕語はない。折丁d1 v(23葉裏)以降は、全て表となっている。数字はすべてアラビア数字が使われ、文中では'.8.'のようにピリオドで囲まれて表記されている。
 ヴェネツィア風の装飾頭文字は、黒地にアラベスク模様で囲まれた大文字が白抜きされた美しい木版イニシャルである。折記号s6 r(140葉表)には、ページ大の木版の印刷者標章が印刷され、さらに赤インクで彩色されている。
 タイトルページに目次が手書きされているのを始めとして、余白や表中には多くの書き込みが茶色いインクでなされており、本書がよく使われた様子がわかる。ただし、再製本時に端が切れてしまっている書き込みもある。
 
 (MA)

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