2017/04/06 新たに 「慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクション」 を公開しました。

Digital Gallery of Rare Books & Special Collections
インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
026 ダンテ・アリギエリ 『神曲』 (ブレシア、ボニヌス・デ・ボニニス印行、1487年5月31日)
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Author : Dante Alighieri
Title : La Commedia (Comm: Christophorus Landinus)
Language : Italian
Format : fº
Place of Publication : Brescia
Printer : Boninus de Boninis, de Ragusia
Date of Publication : 1487-05-31
Binding : Vellum manuscript fragments of 12th-century Italy over card boards; vellum on spine.
Bibliographical Notes : 310 leaves; on the first page is a beautifully decorated and illuminated capital initial and border decoration; initial capitals filled in blue and red with guide-letters; beautifully rubricated throughout; several full-page woodcut illustrations; occasional marginalia in a slightly later hand.
Provenance : Ownership inscriptions: (&1r, a1r).
ISTC : id00031000
Reference : Goff D31, C 5943, HCR 5948, BMC VII 971, GW 7968, IJL 119, IJL2 146, PP97, RA53
Shelfmark : 142X@50@1
Acquisition Year : 1988

 ダンテ(1265-1321)の『神曲』ほど、数多くの注解が書かれ、また挿絵の対象となった作品はない。原典の誕生と同時に注解の伝統が生まれ、現代のCharles Singletonなどの学術的校訂版まで続いていると言っても過言ではない。慶應義塾図書館には15・16世紀の挿絵入りの『神曲』が3冊所蔵されているが、それらの間には興味深い連続性が認められる。
 このブレシアで刊行されたフォリオ版の『神曲』には、本文を取り囲むようにクリストフォロ・ランディーノ(Christoforo Landino)による注解が印刷されている。頭文字と欄外装飾は手書きで、ページの下には所有者が自分の紋章を入れられるように枠が用意されている。ランディーノの注解は、『神曲』を霊魂の成長の物語と解釈する寓意的なものだが、同時にそれまでの注解には見られなかった詳細な古典からの引用や言及の指摘を含んでおり、その意味で人文主義的な注解であると言える。「地獄篇」第1歌の挿絵は、人生の旅路半ばにして暗い森に迷い込んだダンテの姿を描いている。ダンテが森に迷い込むと、豹、牝狼、獅子が順に表れて、ダンテを森の奥へと後ずさりさせる。この三匹の獣はそれぞれ、肉欲、高慢、貪婪の象徴と解釈されてきた。その時「地獄篇」でのダンテの導き手となるウェルギリウスが登場して、ダンテを押しとどめる。
 「煉獄篇」33歌への挿絵では地上楽園の様子が、木々を蘇らせるグリフォンの凱旋戦車、ダンテに天上へと登る生気を与えるレーテとエウノエの河とともに描かれている。
 
 (TM)
 
 (松田隆美『寓意の鏡―16・17世紀ヨーロッパの書物と挿絵』(東京: 慶應義塾図書館, 1999), pp. 104-05より転載。)

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