2017/04/06 新たに 「慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクション」 を公開しました。

Digital Gallery of Rare Books & Special Collections
インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
031f プロペルティウス 『哀歌』 (ライプツィヒ、マルティン・ランツベルク印行、1495年2月1日)
 A1r A1r
A1v A1v A2r A2r
D1r D1r F1r F1r
O6r O6r
Author : Propertius, Sextus Aurelius
Title : Elegiae
Language : lat
Format : 4º
Place of Publication : Leipzig
Printer : Martin Landsberg
Date of Publication : 1495-02-01
Binding : Volume of seven texts [031a-g] in a contemporary German half pigskin leather binding over wooden boards engraved with blind stamping, using a ms fragment, a fully functional hook-clasp fastening with ornamental engraving.
Bibliographical Notes : 82 leaves; some annotations in a contemporary hand; headings and underlines in red.
Provenance : Hartung und Karl, München 8 November 1988, lot 241.
ISTC : ip01018500
Reference : HC 13403, BMC III 638, IJL 248, IJL2 313, PP 44
Shelfmark : 120X@860@1
Acquisition Year : 1989

 本書は15世紀末に7作品を組み合わせた合冊本の第6書である。第5書のティブルス(IKUL 031e)と同様に、ローマ古典作家による哀歌である。プロペルティウスは中世にドイツの学者の間でも盛んに読まれたが、15世紀後半にイタリアから北ヨーロッパに広がったフマニスムの運動の影響で再評価された。本書は、プロペルティウスの友人に捧げた哀歌の第4巻で、15世紀にはほとんど学術的に研究されてなかったものである。ヤコブス・バリヌス( -1497)というライプツィヒ大学教授の指導の下、解説が付されたことが序文に示されている。ライプツィヒの他の学者たちと同様、ヤコブス・バリヌスは印刷業者達と協力し、イタリアから入ってきた書物を自分の授業に合わせ編集し直したと思われる。彼はライプツィヒ大学で古典作家を研究し、フマニスムの学者として知られ、Ars scribendiという雄弁術の教科書を作製した。本書は教科書としても使用されたが、むしろ学者の研究に使われた文献であったと考えられる。
 印刷業者マルティン・ランツベルク(1523年7月14日以前に没)は学生達が書き込みできるように行間にスペースをとったが、慶應本の行間には注釈は付け加えられてはいない。教師の説明を写したと思われる注釈は欄外に若干見られるが、ほとんどがドイツ語だけで書き込まれている。このドイツ語による注釈は、ラテン語の本文の翻訳というよりも、ラテン語の表現をドイツ語の諺に置き換えたもののようである。この注釈は一人の手によるもので、赤インクで書かれている。本文には強調するために所々赤線が引かれている。本来は授業用として出版されたものであるが、実際にはそのようには使用されなかったと推察される。
 本書は1495年にイタリアでも印刷された(Goff P1040)。プロペルティウスの作品はおもにイタリアで出版されたため、このライプツィヒ版は例外的である。このため本書は、イタリアで出版された古典作品に強い関心を持ち、プロペルティウスの著作の刊行に熱心であった人物の存在を示唆する。
 
 (StN)

画像をクリックすると高精細画像が表示されます。  <執筆者・協力者一覧>  <略語一覧