2017/04/06 新たに 「慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクション」 を公開しました。

Digital Gallery of Rare Books & Special Collections
インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
034 アリストテレス 『著作集(ギリシャ語)』 (ヴェネツィア、アルドゥス・マヌティウス印行、1495-98年)
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Author : Aristoteles [Aristotle]
Title : Opera [Greek]. Contains also works of Galenus (II); Philo Judaeus (II); Theophrastus ((II-IV); Alexander Aphrodisaeus (IV)
Language : gre
Format : fº
Place of Publication : Venice
Printer : Aldus Manutius, Romanus
Date of Publication : 1495-98
Binding : Finely bound for Beriah Botfield by Charles Lewis in 1834, gold-tooled olive morocco over pasteboard, decorated in 'the Grolier style', geometric design, gilt edges, yellow endpapers (watermark dates 1832-33).
Bibliographical Notes : 5 parts bound in 6 volumes; part 1: 234 leaves; part 2: 300 leaves; part 3: 468 leaves; part 4: 519 leaves, divided after fol. 227; part 5: 330 leaves; a number of ornamental woodcut initial capitals throughout.
Provenance : 1. Joseph Justus Scaliger (1540-1609); cf. fep 2v: 'Ex bibliotheca viri incomparabilis Josephi Scaligeri, in the hand of Scaliger's close friend, pupil and fellow classicist, Daniel Heinsius (1580/81-1655); auction at Leyden, March 1609, sale catalogue p. 10. 2. Richard Heber (lot 503 in his 10 Aprial 1834 sale at Sotheby's). 3. Beriah Botfield by Payne and Foss for 30 gns when this set was still bound in boards. 4. Sold at Botfield's sale at Christie's (30 March 1994, lot 39).
ISTC : ia00959000
Reference : Goff A959, HC 1657*, BMC V 553, 556, 555, 556, 558, GW 2344, IJL2 031, T 28
Shelfmark : 141X@90@6@1~6
Acquisition Year : 1994

 15世紀のイタリアにおいて、数多くの古典作品の出版を手がけたアルドゥス・マヌティウス(伊名アルド・マヌーツィオ、c. 1452-1515)は、「学匠印刷家」としてその名を知られている。古典学者や人文主義者と交流があり、自身もギリシャ古典に傾倒していたアルドゥスは、ヴェネツィアで印刷業を始めるとまず、ギリシャ語による出版に取り組んだ。本書は、アルドゥスの出版活動初期における集大成の作品であると同時に、ギリシャ語で出版された最初のアリストテレス著作集でもある。
 ローマの南東部に位置する村バッシアーノで生まれたアルドゥスは、1460年代末よりローマ、1470年代後半をフェッラーラで過ごし、その間ラテン語、ギリシャ語、古典学を修得した。その後、カルピの領主ピオ家で2人の息子の家庭教師となったが、そのときの教え子の1人であるアルベルト(1475-1531)は、後にアルドゥスの印刷業を援助することとなる。アルベルトは本書の出版にも協力しており、各巻の冒頭には、アルドゥスがアルベルトに宛てた献辞の手紙が記されている。
 アリストテレス(384 BCE-322 BCE)は、中世の頃よりラテン語訳によって広く読まれており、当時の百科事典などでもたびたび引用されてきた。アルドゥス印行の『著作集』は、当時アリストテレス作とされていた作品全てを収録しているほか、テオフラストス(c. 370 BCE-c. 287 CE)、アレクサンドリアのフィロン(c. 30 BCE- 45 CE)、ガレノス(129-199 CE?)、アプロディシアスのアレクサンドロス(c. 200 CE活動)といった、アリストテレスの弟子や、後世の注釈者による著作も収められている。本書は、『オルガノン』(思考・研究の「道具」の意)と呼ばれている第1巻が論理学関連、第2巻から第4巻が物理学関連、そして第5巻が倫理学関連の著作集、という構成になっている。
 本書で使用されたギリシャ語活字は、タイプ1とタイプ7の2種類。木版による組み紐文様や植物のデザイン、そしてギリシャ語イニシャルが章の冒頭を飾っている。慶應本では、第5巻の1葉目(フォリオ4α1)が、ページののど(・・)の部分で接いである。欠葉を補ったか、あるいは傷みが激しかったために差し替えたのだろう。このページは、上部余白が切り取られていたため、補修がなされている。さらに、1葉目がもう1枚、綴じられてない状態で本に挟まっている。こちらはページの下部から中央にかけて破れており、中央に穴が開いているが、やはり補修されている。本巻にはもう1枚紙が挟まっており、それには、慶應本の装丁を行ったチャールズ・ルイス(1786-1836)が、依頼主であり、慶應本の以前の所有者であった愛書家ベライア・ボットフィールド(1807-1863)に宛てた、第1葉目の補修に関するメッセージが残されている。
 
 【参考文献】
 出隆『アリストテレス哲学入門』(東京: 岩波書店, 1972年)
 雪嶋宏一「学術出版の祖アルド・マヌーツィオ」『早稲田大学図書館紀要』52号 (2005), 1-33
 
 (MI)

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