Digital Gallery of Rare Books & Special Collections
インキュナブラコレクション
[ Japanese / English ]
041 [典礼・法学手引書三著作合冊本]
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Author :
Title : [A bound copy of three works]
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Date of Publication :
Binding : 19th-century brown sheep, blind-stamped border, gilt lettering on spine, gilt edges.
Bibliographical Notes :
Provenance :
ISTC :
Reference :
Shelfmark : 160X@49@1
Acquisition Year : 2002

 本書は、15世紀末にパリとロンドンでほぼ同時期に出版された3つの印刷本が一緒に綴じ合わされた合冊本である。第一作はウィリアム・リンドウッド著『イングランド教会法摘要』で、リチャード・ピンソンが1499年にロンドンで印刷した版である。第二作は教会法などの法学書を読み解くための手引書で、パリで印刷された。そして三つめには第二作と同じくパリで、またおそらく同年の1495年(或いは1493年頃)に出版された、ヨハネス・ハイリーンが著したミサ執行のための手引き書が収められている。
 製本は19世紀頃のものであるが、出版と同時期と思しき筆跡で、随所にRobert Oldredと記されていることから、これら三つの印刷本は出版後ほどなく一緒に製本されたことが推察される。またRobert Oldredなる人物の意向で合冊本が仕立てられた可能性も充分に考えられる。少なくともこの合冊本の依頼主は法律に関心があり、第一作と第三作の内容から察するところ聖職者であった可能性も高い。残念ながらこのRobert Oldredがいかなる人物かはまだ分かっていない。
 『イングランド教会法摘要』を含むこと、またその時期のイングランドの書物市場では、ラテン語の著作の大半は大陸の印刷文化の中心地から輸入していた出版事情を併せ考えると、パリで出版された二つの印刷本がロンドンの書店で販売され、それらがピンソン版と一緒にロンドンで製本されたのかもしれない。もちろんこれは推察の域を出ないが、この合冊本は初期印刷本文化の出版事情を推察する手掛かりを与えてくれる、きわめて興味深い資料であると言えよう。

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