引用について理解する

引用方法

ここからは論文からの引用を例として、様々な引用方法とスタイルを紹介します。実際にどの方法あるいはスタイルを選択するかは、論文・レポートの投稿先、たとえば雑誌の投稿規程や執筆要綱の指示を優先させて従ってください。

まず、他の著作に掲載された文章をそのまま使うかどうかで2通りの引用方法があります。

1. 元の文章をそのまま引用する

(本文)
慶應義塾の安西祐一郎塾長はハーバード大学のローレンス・H・サマーズ総長との対談で、同総長が答えた総長の役割に共感し、「塾長の最も重要な活動の一つはコミュニケーションを通して教員、職員と信頼関係を築き、維持していくことにあると思います」2)と述べている。

引用文献
2)Summers R.H. ; 安西祐一郎. ハーバード大学サマーズ新総長との対話. 三田評論. no.1042, 2002, p.19.

  • 一字一句、資料のとおりに正確に記述します。
  • 短い場合はカギカッコでくくり、カッコ閉じのあとに引用のマーク(例では文献番号)を入れます。また、長い場合は前後を1行空けて、段落を変えます。場合によってはポイントをおとします。他人の著作と自分の文章を区別できるようにするためです。
  • 文献リスト中の書誌事項に該当ページを示します。
  • 正確に他人の主張を伝える必要がある場合、印象的な表現をそのまま使いたい場合などこのスタイルをとります。しかし、他人の著作から長々と引用することは、次項で説明する剽窃(ひょうせつ)=盗用にあたります。自分の考えを示すために必要な最低限の部分だけ引用しましょう。


2. 自分のことばに変更して引用する

(本文)
再生医学の旗手である岡野栄之はそれまでの研究成果をまとめ、移植医療への応用が注目される神経幹細胞について基礎から課題までを解説している1)

引用文献
1) 岡野栄之.神経幹細胞. 蛋白質・核酸・酵素. vol.45, no.13, 2000, p.2063-2077.

  • 引用のマークは著者の氏名の後、または該当内容の記述の後に入れます。
  • 自分のことばにならない場合は1.の直接引用のスタイルをとります。
  • 他人の著作からデータだけを参照したり、文献レビューで複数の先行研究をカテゴリー化してまとめて紹介したり、自分の主張を伝えるために同様の主張をしている著作があることを示したりする場合などにこの方法を使います。しかし、自分の都合のいいように、元の著者の意図を曲げて伝えることは不正の1つですので注意しましょう。
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