判例の探し方

はじめに

何故、判例を検索する必要があるか

法学部に入った学生が法律の学習を始めるときに、まず手にするのが「体系書」「概説書」と呼ばれる教科書です。現在、世の中には多くの法律の専門書・解説書があり、内容がやわらかいものから、非常に専門的なものまであります。そのような色々な法律の専門書のうち、つぎのような図書が「体系書」と呼ばれています。

  • これから法律の学習を始めようとする人が読んで理解できる程度の内容で書かれている
  • より専門的な学習を始めようとする人にとっても内容が整理されている
  • 知っておくべき内容に漏れがない

司法試験などの国家試験受験生がよく「司法試験の基本書」という言い方をしますが、これは国家試験の受験において、中心的に学習するべき教科書、という意味です。

体系書と呼ばれるものは、各分野において数冊ずつあるのが通常ですが、中には「この分野においてはこの本しかない」というようなものもあります。体系書では通常、学説や判例において争いがあり、法令の解釈が一致していない部分(いわゆる「論点」)を網羅し、それらについて本の発行段階で発表されている学説と判例を整理する、という作業が行われています。判例を読んで理解するというプロセスは、法律の学習者にとって非常に興味深い作業の1つですが、それだけではなく、体系書の中に紹介された判例の全文を読んで何故判例がその結論を導き出したかを自分で考える能力も、法学部において身に付けるべきリーガルマインドの一部です。

ところが、体系書においては、判例が全文掲載されているということは、まずありません。引用がなされるか、抜粋が掲載されるのが通常なので、判例を読みたい場合には引用から本文を探さなくてはなりません。

この項では、基本的な判例の探し方を学習します。

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