判例の探し方

判例を参照する(判例の引用)

法学を学ぶ者の多くが、最も興味を持って学習するのが、判例の研究ではないでしょうか。判例は、法律の条文が実際の社会でどのように解釈されていくのかを示しています。裁判には形式上「判決・決定・命令」が存在しますが、それらのうち、後の裁判に重要な影響を及ぼすものを「判例」と呼びます。

判例の役割を説明するために、刑法旧200条の条文に関する例を取り上げましょう。刑法旧200条は、直系尊属殺人、つまり自分の親や祖父母を殺した人間については、それ以外の殺人と区別して、特に重罰を課すということを示した条文でした。

ところがこの条文は、現在では効力を持ちません。昭和45年の最高裁判所の裁判によって、尊属殺人とそれ以外の殺人を区別することが憲法違反であるという裁判が出されたためです。刑法旧200条そのものは平成7年の改正によって削除されましたが、昭和45年の裁判から考えると実に長い間、条文そのものは効力を持たないまま存在して、法令集にも掲載されていたのです。これは、法学を学ぶときに、裁判を調べなければならないという良い例です。法令は条文の形になり、社会で効力を持ちますが、刑法旧200条の例のように、社会の変化にはすぐには対応できません。そのため、裁判が法令の内容を変えるような解釈をすることがあるのです。

これが有名な「尊属殺重罰規定違憲判決」ですが、その判決の引用を示します。判決は通常、判決を出した裁判所の名称・判決日・判決収録誌名(略称)・巻号頁(開始頁のみ)をもって表します。

例) 最大判昭48・4・4刑集27巻3号265頁

これは、最高裁判所の大法廷で、昭和48年4月4日に出された判決であり、『最高裁判所刑事判例集』27巻3号の265頁以降に掲載されているという意味です。

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